通勤・通学を助ける松葉杖の不安解消
こんにちは!
医学生の小林モエです。
あなたは、足の骨折や捻挫、肉離れなどのケガを経験したことがありますか?
交通事故や足を酷使するスポーツなど、足にケガをする理由は様々ですが、特に冬場は要注意!
ウインタースポーツで足を骨折したり、寒さで筋肉が緊張して肉離れを起こしたりと、冬はケガが増えやすい季節なんです。
なかには、「寒い日に信号を渡ろうと足を踏み出しただけで肉離れを起こして、そのまま松葉杖に…」なんて人も!
決して他人事ではない足のケガ。
自力で歩けなくなる程のケガをした場合、松葉杖を使うことになりますが、慣れない松葉杖で生活するのは本当に大変です。
間違った松葉杖の使い方で、ケガの治りが遅れたり、新たなケガを招いたりすることもよくあるんですよ!
そこで今回は、「さらなるケガをしないための松葉杖の使い方」や、「松葉杖をレンタルする方法と費用」などについてお話します。
さらに、松葉杖をつきながらスムーズに会社や学校に通うための「松葉杖で通勤・通学するときの裏技まとめ」も掲載!
いざケガをしたときに慌てないためにも、この記事をしっかりチェック&保存しておきましょう。
そして周りに足をケガして困っている人がいたら、この記事を教えてあげて下さいね!
松葉杖の値段っていくらなの?
足をケガした場合、まずは松葉杖を手に入れるところからスタートしなければなりません。
整形外科の病院で松葉杖をレンタルする方法や値段
一時的な足のケガの場合は、診察を受けた整形外科などの病院から松葉杖をレンタルするのが一般的です。
松葉杖のレンタルにかかる費用は、病院によって様々。
無償で松葉杖を貸し出している病院もありますし、「貸し出す際に保証金として数千円を預かり、期日までに松葉杖が返却された場合には保証金を全額返済する」という方法を採っている病院もあります。
なかには1日数十円~数百円のレンタル料を徴収している病院もあるので、松葉杖を借りる際にはしっかりと確認しましょう。
お店で松葉杖を購入する方法や値段
また、松葉杖は病院だけでなく、介護用品をレンタルしている業者から借りることも可能です。
「長期間松葉杖を使用するから、自分用の松葉杖を購入したい」という場合には、以下のお店から松葉杖を購入することもできます。
- 介護用品店
- 大きめのホームセンター
- Amazonや楽天などの通販サイト
1本3,000円程度の値段の物もありますので、レンタルを希望しない場合は購入を検討してみるのも良いでしょう。
通常の松葉杖よりも少し高額になりますが、室内でかさばりにくい折りたたみ式の松葉杖なども販売されていますので、必要に応じてチェックして下さいね。
松葉杖を使った歩き方のコツ
松葉杖を使って歩くのは、慣れない人にとっては難しいもの。
間違った松葉杖の使い方をすると、新たなケガを招くこともあるんです。
ここからは、松葉杖を使った基本の歩き方や、階段の上り下りの仕方をご紹介します。
松葉杖を使った基本の歩き方
まず、肘が少し曲がるくらいの高さに松葉杖を調整します。
このとき、脇と松葉杖の頂点の間には、指3本~こぶしひとつ分程の隙間があくようにしましょう。
いきなり大きな距離を移動すると転倒することがあるため、無理のない範囲で2本の松葉杖の先を前に出し、体重を支えて、ケガをしていないほうの足を松葉杖の少し先に着地させます。
松葉杖をつくときは、脇で体重を支えてはいけません。
脇にはたくさんの神経が通っていますので、脇に体重をかけて神経を圧迫してしまうと、しびれなどの神経障害を起こす場合があります。
脇を締め、腕の力で松葉杖をつくようにしましょう。
片方(1本)の松葉杖を使った歩き方
松葉杖を片方だけつくときって、ケガをしている足側と健康な足側、どちらでつくかご存知ですか?
じつは、松葉杖を2本ではなく1本だけで使う、いわゆる「片松葉杖」の場合は、ケガをしていない足側の手で松葉杖を持ちます。
「ケガをしている足側で松葉杖をつくもの」と勘違いしてしまいがちですが、ケガをしていない足側でつくほうが痛めている足に体重がかかりにくく、松葉杖が滑ってしまったときにも、ケガをしていない足で体を支えやすくなるのです。
まずは、ケガをしていない足で体重を支え、松葉杖の先とケガをしている足を前に出しましょう。
次に、痛めている足に負担をかけすぎないように松葉杖で体を支えながら、ケガをしていない足を出して着地させます。
階段での両方の松葉杖を使った歩き方
松葉杖を使って階段を上るときは、必ずケガをしていない足から段に乗せるようにしましょう。
ケガをしている足と松葉杖を先に上げてしまうと、松葉杖が脇を突き上げる形になり、バランスを崩して転倒する原因になります。
反対に、階段を下りるときはケガをしている足と松葉杖を先に下ろして下さい。
階段での片方(1本)の松葉杖を使った歩き方
片手で松葉杖をついている場合も、同様のやり方で上り下りします。
また、松葉杖を持っていないほうの手で必ず手すりを掴みましょう。
松葉杖で階段を上り下りするためには、筋力が必要です。
転落などの恐れもあるので、なるべくエレベーターを使用する、自宅の階段であれば段に座った状態で上り下りするなど、安全な方法を選択して下さい。
松葉杖で電車通勤・通学をするときのコツ
ケガをしているときでも、仕事や学校を長期間休むことは難しいですよね。
学校や会社に行くためには、松葉杖をついた状態で長い距離を歩いたり、電車に乗ったりしなければなりません。
ここからは、松葉杖をつきながら少しでも楽に電車通勤・通学をするためのポイントをお伝えします。
駅のバリアフリー状況を確認する
駅構内のエレベーターの位置や、多機能トイレの有無など、バリアフリー状況を正しく把握しましょう。
駅員さんに直接尋ねるのも良いですし、多くの鉄道会社のHPにはバリアフリー情報が掲載されています。
また、駅構内の案内図が掲載されている場合もありますので、エレベーターの位置などをしっかり確認しておきましょう。
■駅バリアフリー設備のご案内:
満員電車を避けて通勤・通学する
満員電車では乗客が通路をふさいでしまうため、優先席があっても近付くことができなくなります。
混雑した電車内で立っているのは体に負担がかかりますし、人に押されてバランスを崩すこともあり大変危険です。
混雑しがちな急行電車は避け、普通電車などの空いている電車に乗るといった工夫をしましょう。
電車の指定席券・特別車両券を購入する
路線によっては、電車の座席を指定できる「指定席券」や、特別車両の座席を確保できる「特別車両券」「特急券」などを数百円から販売している場合があります。
少し出費はかさみますが、確実に座席に座れる方法です。
ケガが治るまでの短い期間なら、体への負担や電車内でのアクシデントを避けるために有効な手段と言えるでしょう。
■指定席券・特別車両券のご案内:
番外編:電車以外の方法で通勤・通学する場合(バス・タクシー)
乗り降りしやすいバスを使う
バスを使用する際には、なるべく「ノンステップバス」を利用しましょう。
ノンステップバスは床が低く設計されているため、乗降口に階段がなく、乗り降りの際の負担を減らすことができます。
車両に付いた車いすのマークが、ノンステップバスの目印です。
雨の日は思いきってタクシーを使う
雨の日は松葉杖が滑りやすく、転倒する可能性があるため大変危険です。
そんなときは無理をせず、タクシーを使いましょう。
電車を利用する場合も、駅から会社・学校までの徒歩区間だけでもタクシーに乗ると、安全に通勤・通学できます。
松葉杖での生活で役立つ便利グッズ
最後に、松葉杖を使うときや、足にギプスを装着しているときに役立つ便利なグッズをご紹介します。
松葉杖に着ける便利グッズ
松葉杖カバー(グリップカバー&脇あてカバー)
松葉杖のグリップや脇あて部分に、クッション性の高いカバーを付けましょう。
松葉杖が滑りにくくなり、接している部分の痛みを軽減することもできます。
メッシュ素材を使用している物だと、通気性も良くて快適です。
杖先カバー
外で使用した松葉杖を室内でも使用する場合は、松葉杖の先にカバーを被せることをおすすめします。
滑りにくいゴム素材の物をチョイスしましょう。
松葉杖を使っているときに身に着ける便利グッズ
雨の日に着るレインスーツ
雨の日は松葉杖が滑りやすくなるため外を歩くのは避けたいところですが、どうしても歩行する必要がある場合は、無理に傘をささずにレインスーツを使用しましょう。
レインコートよりも、上下に分かれているレインスーツのほうがより雨を避けやすく、歩行もしやすくなります。
ギプスなどをしていても足が通るように、少し大きめで足首の部分がすぼまっていないデザインの物を選択して下さい。
ギプスシューズ
ギプスを装着している場合は、外出時にギプス用シューズを履いて汚れを防ぎましょう。
足の甲の部分をベルトなどで簡単に留めるタイプの物が主流のため、着脱も楽にできます。
ストラップの付いたパスケース
松葉杖をついているとカバンからパスケースを取り出しづらく、また落としてしまったときに拾い上げるのもひと苦労です。
首から提げたりカバンに付けたりできる、ストラップ付きのパスケースを使いましょう。
その他の便利グッズ
お弁当箱&水筒
会社のお昼休み、松葉杖をついた状態では外にランチを食べに行くのは大変ですし、移動に時間がかかって休憩時間内に会社に戻ってこられない可能性があります。
社員食堂がない会社の場合は、自宅からお弁当を持参するほうが良いでしょう。
また、席を立たずにいつでも水分補給ができるように水筒を持参するのも便利です。
キャスター付きのイス
足にケガをしている状態で床に直接座ってしまうと、立ち上がるのが困難になります。
室内ではなるべくイスに座るようにしましょう。
キャスターが付いているイスだと、少しの距離なら立ち上がらずに移動できるため便利ですが、勢いを付けすぎて転倒しないよう注意が必要です。
いかがでしたか?
慣れない松葉杖で生活するのは大変ですし、通勤・通学にも多くの時間と体力を消費します。
時間に余裕を持って行動し、「焦らずゆっくり移動する」「疲れたら休憩する」という点を心掛けて下さい。
無理をしてしまうと、ケガの回復が遅れたり、新たなケガを招いてしまったりすることになります。
足への負担や心理的ストレスを軽減して、あなたのケガが少しでも早く治りますように!
■参考参照サイト:
※この記事は、2017年2月時点の情報に基づいて作成されています。
※当サイトは原則「リンクフリー」といたしております。
監修医師プロフィール
産業医 山田

略歴
- 昭和30年
- 愛知県生まれ
- 昭和54年
- 愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局 - 昭和60年
- 名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医 - 平成5年
- 医学博士(名古屋大学)
- 平成6年
- 愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
- 平成8年
- 名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
- 平成12年
- エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長 - 平成13年
- 愛知医科大学客員教授
- 平成20年
- 日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

















