突発性難聴の症状・治療のコツ
あなたは、「突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)」という病気をご存知ですか?
「突発性難聴」とは、毎年3~4万人が発症していて、突然耳が聞こえなくなる原因不明の病気。
原因不明の「突発性難聴」ですが、早期治療を行なうことで完治する可能性が大きく上がります。
今回は「突発性難聴」について、症状や治療法、治療で気を付けることについてのお話です。
「急に聞こえづらくなった」というときや、「耳に違和感があるけれど、何の病気だろう?」というときの備えのために、ぜひ確認してみて下さいね。
それではお話しします!
突発性難聴とは
突発性難聴は何らかの原因により、突然耳が聞こえにくくなる病気です。
突発性難聴は、ほとんどの場合「片方の耳」だけ、発症しますが、まれに両耳同時に発症することも・・・。
突発性難聴は感音性難聴と言われる難聴です。
ここからは、難聴の種類と特徴について説明します。
感音性難聴(聴力の神経に異常)
感音性難聴とは、内耳や聴覚神経に何らかの異常があって起こるのが感音性難聴。
主に、騒音による難聴や突発性難聴によるものがあります。
なお、突発性難聴は、原因が特定されていません。
伝音性難聴(中耳、鼓膜などの器官に異常)
伝音性難聴は、音が伝わる器官(外耳と中耳)の異常によって起こります。
主に外耳や中耳に原因がある場合で、具体的には、中耳炎やケガなどで、鼓膜にキズができて中耳の機能が低下する場合や耳硬化症と呼ばれる病気によるものです。
混合性難聴(伝音性難聴と感音性難聴の両方が原因)
混合性難聴は、伝音性難聴と感音性難聴の両方が原因の難聴です。
突発的に起こる難聴というよりも、徐々に機能が低下してくることによって起こるもので、老人性難聴の多くがこれに該当します。
■参考参照サイト:
- 突発性難聴 | くさの耳鼻咽喉科 佐賀県武雄市の耳鼻科
- 若い人にも多い難聴1 突発性難聴|東京都 中央区 耳鼻咽喉科 日本橋大河原クリニック
- 突発性難聴 について/医療情報/練馬・上石神井 菅家耳鼻咽喉科/めまい外来、鼻アレルギー外来、いびき外来、補聴器外来、他
突発性難聴の症状
突発性難聴は、突然耳が聞こえにくくなるという症状で始まります。
例えば、朝起きたら急に聞こえにくくなっていたり、日常生活を送っていて突然聞こえにくくなったりといった症状です。
ここでは、突発性難聴の症状についてチェックしてみましょう。
突発性難聴の症状:急に難聴になる
突発性難聴には、急に耳が聞こえにくくなるという分かりやすい自覚症状があります。
このため、「朝起きたとき」や「今日の何時何分ごろから症状が始まった」など発症した時期がいつかを鮮明に覚えている人が多く見られるのです。
突発性難聴の症状:片方の耳だけが難聴になる
基本的には片耳だけ急激に聴力が落ちるのが特徴です。
急に片耳だけが聞こえにくくなってしまったら突発性難聴を疑いましょう。
突発性難聴の症状:耳鳴りがする
急激に耳が聞こえにくくなるだけではなく、耳鳴りを伴うこともあります。
突発性難聴の症状:耳が詰まった感じがする
難聴と同時に、耳が詰まっているという症状を感じる人もいるようです。
ただし、難聴の程度もそれに伴う症状にも個人差があります。
突発性難聴の症状:めまい・吐き気がする
聴覚神経が原因の場合は、めまいや吐き気をもよおすこともあります。
症状がひどいときには安静にしておくことが重要です。
■参考参照サイト: 突発性難聴:やさしい耳鼻咽喉科講座:日本耳鼻咽喉科学会広島県地方部会
突発性難聴の原因
突発性難聴の原因はウイルスではないかという説が有力でしたが、その他にもストレスや免疫異常、血流障害なども原因の可能性があると言われています。
突発性難聴の原因は詳細不明
突発性難聴の原因は、現時点では特定には至っていません。
突発性難聴の原因は、ウイルス感染説が有力と言われる
突発性難聴の原因のひとつはウイルス感染が有力視されています。
ただし、最近ではウイルス感染説が有力な説とした上で、ウイルス以外にも、ストレスや血液の循環障害などが原因と考えられるケースも出てきている状況です。
突発性難聴の検査
突発性難聴が疑われた場合に、主に難聴の原因を調べる検査が行なわれます。
まずは伝音性難聴の可能性を疑って、外耳と中耳にあたる鼓膜の状態や鼓膜の響き方などを調べる検査や聴力検査を行ないます。
問診の段階で「突発性難聴」は、見当がつくことが多いため、大がかりな検査が行なわれることはあまりありません。
ただし、例外として「脳の異常」や「聴神経腫瘍」などの可能性が考えられる場合には、レントゲンや、MRI、CT検査が行なわれることもあります。
突発性難聴の治療法
突発性難聴の治療は、症状が出てすぐに行なうことが重要。
なぜなら、突発性難聴は早期治療をすれば、回復することが多いですが、発症から治療開始までに時間がかかると完治が難しくなると言われているからです。
治療は一般的に薬物療法が用いられます。
突発性難聴は主に薬物療法を行なう
突発性難聴は、初期に副腎皮質ステロイド(プレドニン等)の内服、もしくは、点滴で投与する薬物療法が一般的。
その他に、ビタミン薬(ビタミンB12など)、循環改善薬の投与も行なわれます。
症状の程度によって、より確実に治療したい場合は「点滴」が選択されることも・・・。
薬物療法で十分な効果が得られない場合の特殊な治療方法として、以下があります。
- 高圧酸素療法やステロイド大量療法
- 星状神経節ブロック
- 脱線維素療法など
突発性難聴の治療上の注意
突発性難聴の治療中は安静第一です。
ストレスが原因の可能性もありますので、無理な生活は控えましょう。
また、早期発見、早期治療(できるだけ48時間以内、どれだけ遅くとも2週間以内が原則)が重要です。
早期治療を行なうと70~80%の確率で改善する一方で、治療開始までの時間が2ヵ月以上空くと完治が難しくなると言われています。
2ヵ月を過ぎるとほとんど回復は期待できなくなってしまうことから、症状が出たらすぐに耳鼻科を受診するようにしましょう。
治療が始まってから、症状がなくなっても自分の判断で薬を途中で止めず、必ず最後まで服用し続けることも大切です。
また、薬物療法では、「糖尿病」「胃潰瘍」「緑内障」などの持病があると、使えないお薬(ステロイド等)があります。
このため、突発性難聴で初めて受診するときには、病気と服薬の情報提供を的確に行なって下さい。
突発性難聴の後遺症で気を付けること
突発性難聴を治療しても難聴や耳鳴り、めまいなどの症状が残ることがあります。
突発性難聴になったあとで、次の行為は耳に負担をかけるので避けたり、何らかの対策をしたりすることで耳に負担をかけないようにしましょう。
突発性難聴の後遺症で気を付けること「大音量」
難聴になってしまうと、テレビを見るときや音楽を聴くときなどに自分では、気が付かずに大きな音を出しがちです。
大きな音は、「音響性外傷」という別の病気を誘発しますので、テレビやスマートフォンのように音量を目盛り等で判断できるものは、自分でボリュームを意識するようにしましょう。
突発性難聴の後遺症で気を付けること「急激な気圧の変化」
山登り、ダイビング、飛行機での離陸時などの急激な気圧の変化は耳に負担をかけます。
つばをのんだり、あくびをしたりして耳抜きをすることで対応しましょう。
突発性難聴の後遺症で気を付けること「激しく頭部を動かす」
突発性難聴の病気の原因ははっきりしていませんが、突発性難聴とは「(耳の奥の)内耳に異常がある状態」。
激しく頭を揺らすと耳の奥も揺さぶられてしまうので、首を激しく動かしたり、頭を揺らしたりすることは避けた方が無難です。
突発性難聴の後遺症で気を付けること「体の冷え」
体の冷えは、血液の流れを滞らせます。
また、突発性難聴の原因のひとつとして、血流障害が指摘されているのです。
このため、病後も冬場の屋外や夏の冷房を強くしすぎるなど、極端に体を冷やすことがないようにしましょう。
■参考参照サイト:
突発性難聴に症状がよく似た病気
突発性難聴の再発率は高くありません。
そのため、繰り返し症状が現れる難聴は、「突発性難聴」以外の別の病気の可能性が高いです。
ここでは「突発性難聴に症状が似た病気」について、チェックしてみましょう。
突発性難聴に似た病気「メニエール病」
内リンパ水腫が原因で突発性難聴と同様に難聴、耳鳴り、めまい、吐き気などを症状とする病気です。
めまい発作が起きるたびに難聴が悪化する、30~40代の女性に多い病気です。
なお、メニエール病についての詳しい内容は、こちらの記事から確認頂けます。
【おすすめ記事】
「めまい、耳鳴り、難聴…メニエール病の症状と治療、似た病気まとめ」
突発性難聴に似た病気「聴神経腫瘍」
聴神経腫瘍とは、聴神経の細胞から腫瘍が発生する病気で、感音性難聴が主な症状です。
「感音性難聴」と「耳鳴り」の症状がありますが、共に気が付きにくいと言われています。
突発性難聴に似た病気「内耳窓破裂(外リンパ瘻)」
■参考参照サイト: 外リンパ瘻外来のご案内 | 耳鼻咽喉科 | 診療科目のご案内 | ご来院の方へ | 医療法人社団 慈恵会 新須磨病院 兵庫(須磨/神戸)
内耳窓破裂(外リンパ瘻)とは、鼓膜の奥の中耳と内耳の間にある「前庭」または「蝸牛」の入り口の部位が破れ、内耳の器官が傷ついてリンパが流れ出してしまう病気です。
症状には、難聴、耳鳴り、耳閉感、めまいなどがあり、血液検査の一部のCRP検査で確認することができます。
突発性難聴は、冒頭でお話しした通り早期発見、早期治療が重要な病気ですが、上記のように似た病気が多くあり、一般の人には見分けにくい病気。
ですが、耳鼻科の病院を早期受診すると、「突発性難聴」と「それ以外の病気」を症状の問診やCT、MRIなどの検査で確認することができるのです。
早期発見が大切な突発性難聴だからこそ、疑わしい症状が認められた場合にはすぐに受診してみましょう。
■参考参照サイト: 突発性難聴 について/医療情報/練馬・上石神井 菅家耳鼻咽喉科/めまい外来、鼻アレルギー外来、いびき外来、補聴器外来、他
※この記事は、2018年1月時点の情報に基づいて作成されています。
※当サイトは原則「リンクフリー」といたしております。
監修医師プロフィール
産業医 山田

略歴
- 昭和30年
- 愛知県生まれ
- 昭和54年
- 愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局 - 昭和60年
- 名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医 - 平成5年
- 医学博士(名古屋大学)
- 平成6年
- 愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
- 平成8年
- 名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
- 平成12年
- エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長 - 平成13年
- 愛知医科大学客員教授
- 平成20年
- 日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長















