結膜炎の原因と会社・学校等での対処法
こんにちは!
HMR大学医学科1回生の小林モエです。
皆さんは、目のかゆみや充血、目やに、異物感などに悩まされた経験はありませんか?
それは、「結膜炎」かもしれません。
ひとことで結膜炎と言っても、結膜炎には様々な種類があります。
かゆくなるだけでなく、目の血管から出血して白目が真っ赤になってしまったり、黒目が濁ってしまったりすることもあるんですよ!
なかには強い感染力を持ち、油断しているとたちまち人にうつってしまう結膜炎も…!
では、そんな感染力の強い結膜炎にかかってしまったら、仕事や学校はいったいどうすれば良いのでしょうか?
仕事や学校に行って良いのか、人に結膜炎をうつさないためにはどうしたら良いのかと、悩んでしまう方は多いですよね。
そこで今回は、「結膜炎の種類や結膜炎がうつる原因」に加え、「結膜炎にかかったら会社や学校、保育園などはどうすればいいのか?」という疑問にもお答え致します!
結膜炎を急に発症しても慌てないように、最後までしっかりチェックして下さいね!
結膜炎の症状
結膜とは、白目と両まぶたの裏を覆う透明な粘膜のことで、目の奥にゴミなどが入るのを防ぐ役割をしています。
この結膜が様々な原因によって炎症を起こすと、「結膜炎」という目の病気になってしまうのです。
結膜炎によって起こる基本的な症状は、以下の通りです。
- かゆみ
- 白目やまぶたの充血
- 目やにや涙が多く出る
- まぶたの腫れ
- 痛み
- 異物感
しかし、結膜炎は人にうつる「ウイルス性」「細菌性」のものもあれば、うつらない「アレルギー性」のものもあり、特徴も異なります。
ここからは、結膜炎の種類とその特徴を見てみましょう。
うつる結膜炎
人にうつる結膜炎には、以下の種類があります。
特にウイルスが原因の結膜炎は感染力が強いため、じゅうぶん注意して下さい。
流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)
感染力が強く人にうつりやすいことから「はやり目」とも呼ばれる、「アデノウイルス(8型・19型・37型)」というウイルスによって発症する結膜炎です。
他の結膜炎よりも重症化することが多く、まぶたの裏に「偽膜(ぎまく)」という白い膜ができたり、黒目に「点状表層角膜炎(てんじょうひょうそうかくまくえん)」と呼ばれる濁りが数ヵ月残ったりすることがあります。
咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)
「アデノウイルス(3型・4型・7型)」を原因とする、発熱を伴う結膜炎です。
39度程の高い熱が出て、強いのどの痛みがあることも多いでしょう。
熱が下がってからも排泄の際にウイルスが出てしまうため、1ヵ月くらいはプールなどには入れません。
それでもプールでの接触で感染してしまうことが多いことから、別名「プール熱」と呼ばれています。
急性出血性結膜炎(きゅうせいしゅっけつせいけつまくえん)
「エンテロウイルス70型」や「コクサッキーA24変異株」というウイルスによって起こる結膜炎です。
まれなパターンではありますが、結膜の下の血管から出血し、白目全体が真っ赤になってしまうことも。
アポロ11号が月面着陸した年に流行し、「月から病原体がやってきた」という噂が広がったことから「アポロ病」とも呼ばれていますが、もちろん月と関係する結膜炎ではありません。
ヘルペス性結膜炎
「単純ヘルペスウイルス」を原因とする結膜炎で、ヘルペスウイルスに初めて感染するお子様が発症しやすいものです。
目の周りの皮膚に水疱(すいほう)ができることがあり、その場合は外用薬(塗り薬)で治療します。
細菌性結膜炎(さいきんせいけつまくえん)
ぶどう球菌などの細菌による結膜炎です。
抗生物質を点眼することで、数日で治ります。
ウイルス性の結膜炎に比べると人にうつることは少ないですが、体力が低下している人や小さいお子様にはうつりやすいため、油断せずに対処しましょう。
うつらない結膜炎
アレルギー反応によって炎症が起こる「アレルギー性結膜炎」は、人にうつることはありません。
ハウスダストや花粉などのアレルギー物質に接触することが、この結膜炎の原因です。
特に花粉が多く飛ぶ時期は、強い目のかゆみを引き起こす「季節型アレルギー性結膜炎」を発症する人がとても多くなります。
ケアが足りないコンタクトレンズも、アレルギー性結膜炎の原因のひとつ。
アレルギー性結膜炎が重症化すると「巨大乳頭結膜炎(きょだいにゅうとうけつまくえん)」という、まぶたの裏に大きなブツブツができる病気になることがありますが、これはコンタクトレンズを使用している方に多いと言われています。
また、アトピー性皮膚炎の人は「アトピー性角結膜炎」を発症することも。 さらに、重症のアレルギー性結膜炎である「春季カタル」患者の70%以上に、アトピー性皮膚炎の症状があると言われています。
結膜炎の種類やその特徴について、お分かり頂けたでしょうか?
様々な結膜炎がありますが、人にうつるタイプの結膜炎の場合はご自身の治療に専念するだけではなく、周りの人に結膜炎をうつさないための配慮が必要です。
ここからは、特に感染力の強い「ウイルス性結膜炎」がうつる原因と、その対策法を確認してみましょう!
結膜炎がうつる原因
ウイルス性結膜炎は主に、「患者が触れた物にウイルスが付着し、それを触った人がその手で自分の目を触ってしまう」ことでうつりやすい病気です。
もし結膜炎になったら、感染拡大を防ぐために以下のことに気を付けましょう。
- 目をこすらない、目元を触らない(ウイルスを手に付着させない)
- こまめにせっけんで手を洗う、触った蛇口も洗う
- タオルやハンカチを人と共用しない
- 目元や顔を拭くときはティッシュなどの使い捨てられる物を使用し、他の人が触れないようにビニール袋などに入れて捨てる
- 家族にうつさないために、お風呂は最後に入る
- 公衆浴場やプールには入らない
とは言え、無意識の内につい目をこすったり、目の付近を触ったりしてしまうことはありますよね。
特に小さなお子様が集まる小学校や幼稚園・保育園では、結膜炎の感染拡大を食い止めるのはなかなか難しいものだと思います。
では結膜炎になってしまったら、仕事や学校、保育園などはどうしたら良いのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
結膜炎になってしまったら…学生編
ウイルス性結膜炎に分類される流行性角結膜炎、咽頭結膜熱、急性出血性結膜炎は、学校保健安全法という法律で「学校感染症」に指定されています。
学校感染症は、医師が「他人に感染させるおそれがない」と診断するまでのあいだ出席停止となるため、症状がひどいときは学校には行けません。
特に咽頭結膜熱はインフルエンザなどと同じ「第二種の感染症」に該当しており、原則、症状が消えてからもその後2日間は出席停止となります。
また、しばらくは排泄物にウイルスが混ざっているため、出席できるようになってからも許可が出るまでプールには入れません。
目の不調を感じたときはすぐに病院に行き、ウイルス性結膜炎と診断された場合は医師の指示を仰いで、許可が出るまで自宅で静養するようにして下さい。
結膜炎になってしまったら…幼児編
ウイルス性結膜炎になってしまった場合は、学校と同様に幼稚園・保育園も出席停止となります。
また、小さいお子様は汚れた手で目を触ってしまいがちですし、菌に対する抵抗力が弱いこともあり、細菌性結膜炎にもかかりやすいと言えます。
細菌性結膜炎は出席停止にはなりませんが、他のお子様にうつしてしまう可能性もあるので、医師と相談した上で登園させるかどうかを決めたほうが良いでしょう。
自宅で療養しているあいだも、小さいお子様はかゆみを我慢できずつい目をこすってしまいがちです。
症状が悪化しないように、親御さんが注意して見てあげましょう。
また、お子様に目薬をさしてあげることもあるかと思いますが、お子様から親御さんへと感染が広がらないように手洗いを徹底して下さい。
結膜炎になってしまったら…社会人編
社会人の出勤に関しては、学校や幼稚園・保育園のように法律で定められたルールはありません。
しかし、病院で眼科医にしっかりと話を聞き、勤め先に自分の病状を説明できるようにしておきましょう。
症状によっては、会社のほうから自宅療養を言い渡されることもあります。
特に接客業などの場合はお客様に結膜炎をうつしてしまうリスクもありますし、目が充血して真っ赤になっていると接客に差し障ることもありますので、無理に出勤しないほうが良い場合もあるでしょう。
もし外出するときは手を清潔にすることや目を触らないことを心がけ、コンタクトレンズは使用しないで下さい。
また女性の場合、化粧をするときは目元を避け、アイメイクはやめておきましょう。
症状が片目だけの場合は眼帯をするとウイルスに触れにくくはなりますが、眼帯と目が接している部分に雑菌が繁殖することもあります。
医師の判断なしに眼帯をするのはやめたほうが良いでしょう。
学生・社会人を問わず、結膜炎になってしまったときは眼科に行き、医師の診断・治療を受けることがとても大切です。
では、眼科の病院では具体的に、どのような結膜炎治療が行なわれるのでしょうか?
確認してみましょう。
病院(眼科)での結膜炎の治療方法
結膜炎は、主に点眼薬(目薬)で治療を行ないます。
細菌性結膜炎の場合は、抗菌作用のある点眼薬をさせば2~3日で治すことが可能です。
また、アレルギー性結膜炎には抗アレルギー点眼薬を使用しますが、重症の場合はステロイド点眼薬を使用することで、比較的早く症状を抑えることができます。
しかし、ウイルス性結膜炎の場合、特効薬は存在しません。
ウイルスを薬で退治することはできないため、人間の体に抗体ができ、その抗体がウイルスをやっつけるまで待つしかないのです。
しかしウイルス性結膜炎の場合でも、細菌感染を防いだり炎症を抑えたりする点眼薬や、外用薬は処方されます。
症状を悪化させないために必要な薬なので、必ず病院(眼科)を受診しましょう。
いかがでしたか?
結膜炎は、発症した本人がかゆみや痛みで苦しむだけでなく、周りの人にも感染を広げてしまうかもしれない怖い病気です。
目がかゆい、目やにが出る、充血がひどいなどの症状があるときは、すぐに病院(眼科)に行きましょう。
また、医師から「完治した」と言われるまで油断せず、ちゃんと通院を続けるようにして下さいね。
■参考参照サイト:
- 目についての健康情報 | 公益社団法人日本眼科医会
- 結膜炎の鑑別診断 | 日本角膜学会
- 結膜炎|目の病気について|医療法人 藤田眼科
- 目の病気百科・目の症状別セルフチェック一覧|参天製薬
- 結膜炎 | 川本眼科(名古屋市南区)
- 流行性角結膜炎|慶應義塾大学病院 KOMPAS
※この記事は、2017年4月時点の情報に基づいて作成されています。
※当サイトは原則「リンクフリー」といたしております。
監修医師プロフィール
産業医 山田

略歴
- 昭和30年
- 愛知県生まれ
- 昭和54年
- 愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局 - 昭和60年
- 名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医 - 平成5年
- 医学博士(名古屋大学)
- 平成6年
- 愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
- 平成8年
- 名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
- 平成12年
- エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長 - 平成13年
- 愛知医科大学客員教授
- 平成20年
- 日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

















