皮膚科でのニキビ治療とセルフケア
朝起きて鏡を見たとき、肌にできたニキビに気付いてショックを受けたことがある人は多いですよね。
ましてや、そのニキビが「ニキビ跡」として残ってしまったら大問題。
男女問わず「何とかしてニキビ跡を治したい!」と強く思うことでしょう。
ニキビは12~18歳をピークに発症するため、「若い頃にニキビを潰したことで肌にダメージを負ってしまい、今になって後悔している」という方も少なくないかと思います。
一度ニキビ跡ができると、もう治らないと思い込んで跡を隠すことばかりに一生懸命になりがち。
しかし、正しいケアをすることで、ニキビ跡は改善することもあるのです。
今回はそんな「ニキビ跡」の治療についてお話しますので、ぜひ参考にしてみて下さいね。
目次
ニキビとニキビ跡とは?
ニキビは、「成人の約90%が経験したことがある」と言われる皮膚疾患で、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という名前を持っています。
ニキビで皮膚科の病院にかかる必要性
ニキビはほとんどの人が経験するものなので、「わざわざ皮膚科を受診する程のことではない」と考える人が大半なのですが、人によってニキビの重症度は異なるもの。
症状がひどい場合や、軽症であっても誤った方法で処置してしまった場合などは、早急に皮膚科を受診しないと跡が残ってしまうのです。
ニキビの原因
ニキビは「毛穴に皮脂がたまって炎症が起きる」ことで発生し、思春期に男性ホルモンが活発に働いて皮脂が大量に出ることや、毛穴が角質の増殖によって塞がれてしまうことなどが原因と言われています。
ニキビとニキビ跡の症状とは
ニキビは、最初に①白色のぷくっとした吹き出物(白ニキビ)ができ、次に②黒色に変化(黒ニキビ)していくのですが、このときはまだ初期段階。
ここから症状が進むと、③赤い丘疹(きゅうしん:赤ニキビ)、④膿疱(のうほう:黄ニキビ)、⑤痂皮(かひ:かさぶた)、⑥嚢腫(のうしゅ:紫ニキビ)、⑦瘢痕(はんこん:クレーター)、⑧色素沈着(しきそちんちゃく)などの発疹へ変わります。
いずれの場合でも、ニキビの段階や症状に合わせて正しく処置しなければ、赤みのある跡や色素沈着、凸凹のクレーター、黒ずみニキビ跡などが残ってしまうのです。
ここからは、こうした「ニキビ跡の種類」について確認してみましょう。
ニキビ跡ができる原因と種類
ニキビ跡には、肌に凸凹(クレーター)ができてしまうものと、色が付いてしまうものがあります。
ニキビ跡ができる原因:凸凹(クレーター)
まず凸凹ができる原因は、皮膚の表面である表皮(ひょうひ)よりもさらに奥にある、真皮(しんぴ)を傷付けてしまうこと。
ニキビを潰そうとつまんだり引っ張ったりして、無理やり膿を絞り出そうとすると、皮膚にはダメージが蓄積されます。
その結果、真皮が傷付けられて、その部分が凹んだままになってしまうのです。
表皮のダメージは治りやすいのですが、真皮のダメージはなかなか治りにくいため、ニキビは潰さないように気を付けましょう。
ニキビ跡ができる原因:赤み
一方で色が付いてしまうものは、ニキビそのものというよりは、肌全体が問題を抱えている場合に起こりやすい症状です。
赤みのあるニキビ跡は、皮膚がもとに戻ろうとする機能が低下していることによって新しい皮膚がじゅうぶんに作られず、血液の流れが滞ってしまっていることが原因で赤く見えます。
ニキビ跡ができる原因:色素沈着(黒ずみ・シミ)
また、色素沈着(黒ずみ・シミ)が残ってしまう場合は、ニキビができているとき、つまり肌に異常があるときに紫外線に当たり、肌の奥にメラニン色素が残ってしまうことが原因です。
ニキビ跡をセルフケアで改善するには
軽度のニキビ跡や赤みがかった色素沈着の場合は、肌の新陳代謝、いわゆるターンオーバーを促進することによって改善することがあります。
例えば、ビタミンCを摂取し、規則正しい食事と睡眠を摂ることで、肌のターンオーバーの異常が解消され、徐々にニキビ跡が改善されることもあるのです。
しかし、凸凹ができたりシミになったりしてしまうと、セルフケアで改善を目指すのは難しいと言わざるを得ません。
そのため、まずは肌へのダメージや紫外線を抑え、ニキビ跡を作らないことが大切です。
皮膚科の病院でのニキビ跡治療法(薬物治療やレーザー治療など)
セルフケアでは治せないひどい凸凹や色素沈着などのニキビ跡が見られる場合は、皮膚科などの病院を受診し、専門的な治療を受ける必要があります。
具体的な治療法として考えられるのは、以下の方法です。
皮膚科での内服薬の投与
- 皮脂の分泌や皮脂粘膜の正常な働きを保つビタミン剤(ビタミンC・B2・B6)
- 重度の炎症を起こしている場合、抗生物質の内服
- ホルモン療法として、低用量ピル、男性ホルモン抑制剤を使用することも
皮膚科での外用薬の処方
- ニキビの原因であるアクネ菌を殺菌するクリームやゲル
- 角質のピーリングに効果があるゲルの使用など
皮膚科での処置
「器具を使ってニキビを押し出す面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)」
上記以外に、ケミカルピーリング(角質を剥離する療法)、イオン導入(電流を使用する療法)などの保険適用外の処置をすることも。
肌のターンオーバーを促進しても改善が見られないニキビ跡ができてしまったら、こうした治療法も視野に入れて、皮膚科の医師に相談してみましょう。
ニキビやニキビ跡を悪化させないためには?
ニキビ跡は「ニキビケアの失敗」が原因でできてしまうものなので、ニキビができたら、初期の段階で肌ケアに力を入れましょう。
まだニキビが炎症を起こしていない、「できたばかりの白いニキビ」の段階でケアすることが最も重要です。
黒色に変わってきたニキビはすでに炎症を起こしていますので、セルフケアをしながらも、あまり患部に触らず様子を観察しましょう。
また、紫外線を浴びないようにすることも大切です。
もし、どうしてもニキビがひどくなるようであれば皮膚科の病院を受診し、炎症を抑える薬や男性ホルモンを抑制する薬を処方してもらったり、ニキビ自体を除去してもらったりもできます。
適切な処置ができれば、ニキビ跡が残ることはありません。
ニキビやニキビ跡を予防・改善するために気を付ける生活習慣
ただ、そもそも重要なのは、「ニキビを作らないこと」。
そのためには、特にニキビができやすい12~18歳くらいまでの生活習慣が重要となります。
ニキビを作りたくない人は、以下を守って生活習慣を改善してみましょう。
- 洗顔を行ない、肌を清潔に保つ
- 夜更かしせず、規則正しい生活をする
- ストレスをためない
- 髪が顔にかからないようにする
- バランスの良い食生活で、ビタミンを摂取する
できてから何年も経ってしまったニキビ跡には、皮膚科の病院を受診することが効果的ですが、初期段階や今まさにニキビができている段階である場合は、セルフケアでじゅうぶん対応できます。
ニキビの性質やニキビ跡のできる仕組みを知り、適切に対処することで、ニキビ跡のない綺麗な肌を手に入れましょう。
※この記事は、2017年5月時点の情報に基づいて作成されています。
※当サイトは原則「リンクフリー」といたしております。
監修医師プロフィール
産業医 山田

略歴
- 昭和30年
- 愛知県生まれ
- 昭和54年
- 愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局 - 昭和60年
- 名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医 - 平成5年
- 医学博士(名古屋大学)
- 平成6年
- 愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
- 平成8年
- 名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
- 平成12年
- エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長 - 平成13年
- 愛知医科大学客員教授
- 平成20年
- 日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

















