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【腎移植外科】
IgA腎症・透析腎がんなど 腎移植外科で受けられる診療

腎移植外科
診療科目
腎移植外科

「腎移植外科」は、腎臓の移植手術を専門とする診療科です。腎臓の移植は「腎移植」とも呼ばれます。慢性腎不全へと病気が悪化した患者が、他の人から腎臓を提供してもらうことで移植手術ができます。2014年(平成26年)現在、国内での腎移植例は年間1,000件程あり、腎臓の提供者が少ないことから希望をしてもすぐには受けられない状況となっています。

腎移植外科では、腎不全を手術によって治し、また、移植後のフォローなどを行ないます。腎移植を検討している人がまず、自分は腎移植を受けることができるのかどうか、を医師に相談することもできます。

対象となる主な病気は、腎不全をはじめ治療の途中で腎臓移植が必要な病気です。具体的には腎炎、腎がん、先天性腎尿路奇形症候群、腎性副甲状腺機能亢進症、多発性嚢胞腎などです。

代表的な病気(病名)

IgA腎症(あいじーえーじんしょう)

特徴
腎臓内では老廃物を濾過するフィルターのような役割をする「糸球体」というものがあり、ここに慢性的な炎症が起きるのが「IgA腎症」です。腎臓の病気である慢性糸球体腎炎のひとつで、腎炎のなかでも発症率が比較的高い病気です。IgAとは免疫グロブリンA (Immunogloburin A)の略で、本来は体を守る免疫物質ですが、扁桃腺炎などの影響で異常なIgAが糸球体に沈着してしまうことで炎症が起こるとされています。IgA腎症の治療は扁桃の摘出手術や、糸球体の炎症を抑える薬物療法などを行ないます。この病気が20年程続くと腎不全につながることがあり、腎移植手術が必要になる場合もあります。しかし、IgA腎症は腎移植後に再発する率が高く、その病因は腎臓外にあるとも考えられています。
症状
症状はほとんどありません。感冒や扁桃腺炎にかかったあとに血尿が出て、検査を受けることで自覚できることがあります。尿にはタンパクや血液が下りるため、尿検査をすると分かります。ただし、IgA腎症の初期のうちは尿タンパクが現れません。他、浮腫がみられることがあります。慢性的な病気であり、発見された当初は症状の見通しは比較的良いとされていましたが、その後、20年が経過すると患者の40%が腎不全になるという報告もなされています。腎不全へ進行すると、疲れやむくみ、血圧の上昇、食欲不振、吐き気、頭痛、集中力の低下、けいれん、不整脈などの症状が現れます。
治療法
IgA腎症ははっきりとした原因が分かっていないため、根本的な治療法はなく、症状に対する治療が行なわれます。治療は食事療法、薬物療法、口蓋扁桃摘出術、扁摘パルス療法などです。食事療法では主に十分なエネルギー摂取とタンパク質、塩分の制限。肥満がある場合には減量を行ない、喫煙している場合には禁煙しましょう。薬物療法では抗血小板薬や、ステロイド、免疫抑制薬などが用いられます。扁摘パルス療法は扁桃腺の摘出手術とステロイドの点滴と経口薬での治療の両方を組み合わせた治療です。

先天性腎尿路奇形症候群(せんてんせいじんにょうろきけいしょうこうぐん)

特徴
生まれたときから腎臓が小さいなど腎臓の異形成や低形成、馬蹄腎や水腎症、膀胱尿管逆流といった腎尿路器官の先天的な異常を総称して「先天性腎尿路奇形症候群(congenital anomalies of kidney and urinary tract)」と言います。CAKUTと略されます。先天性腎尿路奇形症候群の原因は、はっきりと解明されていませんが、遺伝子の変異にかかわりがあると考えられています。治療は、尿路の奇形や逆流があれば薬物療法で主に対処します。泌尿器官に問題があれば小児泌尿器科で手術をします。病気が進行して腎不全となったときには透析や腎移植を行ないます。初期のうちに発見するためには、エコー検査によるスクリーニングが有効とされています。
症状
それぞれの病気により、症状が異なります。
腎低形成
腎臓が小さく生まれてしまう病気です。最初は症状がありませんが成長するとともに腎不全の症状が現れます。血圧が上昇し、疲れやすくなり、むくみ、食欲の減退、息切れ、尿量の増加などがみられます。
水腎症
尿路が狭い状態になる病気です。排尿がうまくできずに腎臓に負担がかかるにつれ、腎機能が徐々に悪化したり、尿路感染などを起こしたりすることがあります。主な症状は激しい腹痛です。
鰓弓耳腎(BOR)症候群
耳やのどに奇形がみられるなど、腎臓以外の部位に症状が現れるものもあります。
治療法
先天性腎尿路奇形症候群の治療は、原因によって様々です。先天性尿路奇形や尿路感染症を繰り返し起こす場合、感染症予防のため抗菌薬を長期服用します。膀胱尿管逆流現象や先天性水腎症など、泌尿器的介入が必要になってくる場合は手術療法を選択しましょう。末期的な腎不全になってくると透析・移植が必要です。なお、生まれつき糸球体基底膜菲薄症(糸球体の血管の壁が薄い)であり良性家族性血尿である場合、腎機能は正常に保たれるため心配は要りません。また、鰓耳腎症候群の場合は特異的治療法はなく、補聴器装着や人工内耳造設を行ない聴力改善をすることがあります。

腎性副甲状腺機能亢進症(じんせいふくこうじょうせんきのうこうしんしょう)

特徴
「腎性副甲状腺機能亢進症」とは、腎臓の働きが低下したことが原因で、血液中のカルシウム濃度が低下することで起こる病気で、「二次性副甲状腺機能亢進症」のひとつです。血液中のカルシウム濃度は通常、甲状腺の裏にある「副甲状腺(上皮小体)」という臓器が「副甲状腺ホルモン」を分泌することで正しく保たれています。カルシウム濃度が低下すると、「副甲状腺ホルモン」をたくさんに分泌して骨を溶かしてカルシウムを確保しようとするなど、副甲状腺機能の亢進症状による弊害が生まれます。腎性副甲状腺機能亢進症の原因はビタミンD欠乏症、くる病、慢性腎不全などが挙げられます。主な治療は、副甲状腺ホルモンの分泌を抑える薬を服用することです。病気の原因が慢性腎不全の場合、腎移植手術により治療を行なうこともあります。
症状
血液中のカルシウム濃度が上がることで、吐き気や胸やけ、食欲減退、便秘などの症状が表れ、精神的にもイライラすることが多くなります。病気が進行してさらに副甲状腺ホルモンが肥大すると、薬が効きにくくなります。すると骨がますます溶け出て骨量が減り、骨がもろくなる「繊維性骨炎」になることがあります。この場合、ひざやかかとに痛みが走ったり、背が縮んだり、骨が変形したり、骨折しやすくなったりします。また、筋力が低下し、イライラが激しくなり、集中力が低下します。かゆみやしつこい咳などの症状がみられることもあります。
治療法
腎性副甲状腺機能亢進症では、腎臓病のために血液中のリンやカルシウム、ビタミンDのバランスが乱れがちです。そのため、ミネラルバランスを整える薬やビタミンDを補充する薬がよく使われます。また、副甲状腺ホルモンの合成と分泌を抑える薬が使われることも多いです。腎性副甲状腺機能亢進症では、4つある副甲状腺をすべて摘出して一部を腕などに移植する手術が行なわれることも少なくありません。これは、副甲状腺が大きくなって声を出す神経が傷つくことを防ぐため。移植した副甲状腺が大きくなった場合には、腕の手術を行ないます。その他、副甲状腺にエタノールを注入して壊死させる方法も、以前はよく行なわれていました。

多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん)

特徴
「多発性嚢胞腎」とは、腎臓の中に「嚢胞」と呼ばれる、水が入った袋がたくさんでき、腎臓が肥大して腎機能が低下する病気です。多発性嚢胞腎の原因は遺伝子の異常と考えられています。また、遺伝する病気でもあります。悪化すると腎不全につながります。発症者は腎臓以外の血管にも異常がみられることがあり、高血圧や心臓、脳の疾患を合併する例が多いようです。多発性嚢胞腎の治療は研究途中であり、根本的な原因を治す方法はまだ見つかっていません。投薬によって血圧を下げる処置などが行なわれますが、病気が進行して腎不全となったときには腎移植手術を行なうことがあります。
症状
初期の頃はほとんど症状がありません。病気が進行するにつれて疲れやすくなり、倦怠感、夜間の頻尿、食欲の低下、息切れなどの症状が現れます。お腹に張りを感じ始めたころには、腎臓の中に嚢胞がすでに多数できてしまっている状態です。高血圧を合併することもあるため、血圧が上がる場合があります。頭蓋骨内で出血することもあり、その場合は徐々に頭痛がひどくなって嘔吐があり、意識がなくなっていきます。また、腎不全へ進行すると、疲れやむくみ、血圧の上昇、食欲不振、吐き気、頭痛、集中力の低下、けいれん、不整脈などの症状が現れます。
治療法
多発性嚢胞腎の治療は、病気による症状に対する治療が中心。まず高血圧の治療は、腎臓の機能低下を遅らせるため、また、頭蓋骨内の出血の危険性を減らすために行ないます。また、抗菌剤で尿路感染症の治療をしっかり行なうことも、腎臓の機能低下を遅らせるために重要です。腎嚢胞の増大や腎臓の機能低下を抑える薬が使われることも少なくありません。なお、年齢とともに腎機能が悪化し、60歳代になると腎不全に至る患者さんも多め。重症の腎不全になると、透析や腎移植を考慮する必要があります。
多発性嚢胞腎の場合腎臓以外にも嚢胞が肝臓などいろんな所にできる場合があるので、他の臓器もチェックが必要です。

透析腎がん(とうせきじんがん)

特徴
「透析腎がん」とは、人工透析の治療を受けている患者の腎臓にがんができる病気です。透析治療を10年以上受けている人が、そうでない人に比べて腎がんを発症する確率が20~40倍であるという報告があり、「透析腎がん」という名称で区分することがあります。慢性腎不全になった状態で透析治療を長年続けると、多くの人が後天性腎嚢胞になるとされています。そこからさらに嚢胞の細胞が変異して悪性腫瘍へ進行することが透析腎がんの原因と言われます。透析方法そのものよりも、腎不全状態が長く続いていることに要因があるとする説もあります。腫瘍の発育スピードはゆっくりであるため、初期のうちに見つかることが多く、転移することは比較的少ないようです。透析腎がんは、外科手術による腎摘出で完治が期待できます。
症状
初期のうちは症状がほとんどありません。偶然に受けたエコー検査などで発見されることが多くあります。透析治療を長く受けている患者は、定期的なスクリーニング検査を受けることが早期発見のためには大切です。透析腎がんが進行して腫瘍が5cm程に大きくなると、痛みのない血尿がみられます。このころになると、お腹にしこりを発見したり、ズキズキとした疼くような腹痛を感じたりするようになります。さらに悪化すると発熱や貧血、倦怠感、食欲の減退、食べているのに体重が増えない、といった症状も現れます。高血圧、高カルシウム血症の症状がみられることもあります。
治療法
透析腎がんで他の臓器に転移がない場合は、手術で腎臓を摘出すれば完治することが多いです。手術は、患者さんの全身状態や体格、腫瘍の大きさなどを総合的に判断して、開腹手術を行なうか、あるいは内視鏡手術を行なうかを決定します。放射線治療は効果が得られないことが多いので、あまり実施されません。しかし、がんが骨などに転移していて痛みなどがある場合には、放射線治療を行なうこともしばしば。なお、腎がんを発症しても腎移植は可能であるケースが多いです。