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サル痘とは/ホームメイト

サル痘(さるとう)とは、サル痘ウイルスによる感染症です。日本国内では、感染症法上の4類感染症(主に動物、飲食物などを介して人に感染する病気のこと。代表的な感染症には、狂犬病、鳥インフルエンザ、日本脳炎、マラリアなどがある)に指定されています。2022年(令和4年)5月以降、サル痘流行国に渡航歴のないサル痘患者がヨーロッパ・アメリカなどで複数報告されており、同年8月には死亡例も報告。しかし、サル痘に対するサーベイランス体制(患者の発生情報を統一的な手法で収集・分析し、得られた情報を疾病の予防・対策のために迅速に還元する体制のこと)は世界的にも整っておらず、水面下でサル痘の感染が広がる可能性もあります。

この記事では、サル痘の症状と致死率をはじめ、感染経路、予防方法について詳しくまとめました。

サル痘の症状と致死率

サル痘

サル痘は、オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患です。

サル痘の潜伏期間は通常7~14日(最大5~21日)と言われています。潜伏期間の後には、発熱、頭痛、リンパ節腫脹(りんぱせつしゅちょう:リンパ腺が腫れて大きくなること)などの症状が最大5日程度続き、発熱から1~3日後には発疹が出現。発疹は顔面からはじまり、四肢へ広がっていきます。また発疹は、次第に水疱、膿疱(のうほう:皮膚のなか、または皮膚の下に膿が溜まって盛り上がった状態のこと)、痂皮(かひ:水疱、膿疱が破れ、血清、膿などの成分が乾いて固まった状態。かさぶたのこと)へ進行。ほとんどの場合、2~4週間で自然軽快しますが、小児をはじめ、患者の健康状態、合併症などによっては重症化するケースもあります。

サル痘は、根絶が宣言される1980年(昭和55年)までに世界で猛威を振るっていた天然痘(てんねんとう)と症状が類似。しかし、天然痘の致死率が20~50%だったことに対し、サル痘の致死率は1~10%程度で、ほとんどの死亡者は若い年齢層です。なお、サル痘患者からの2次感染率は数%程度と言われています。

サル痘の感染経路

サル痘の感染経路

サル痘は1970年(昭和45年)に人への感染が確認されて以来、熱帯雨林地域を中心に流行しました。
そして、2022年(令和4年)5月以降には、ヨーロッパ・アメリカなどでも感染の報告が相次ぎ、世界中で拡大傾向が認められたため、2022年(令和4年)7月23日に、WHO(世界保健機関)はサル痘に対し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言したのです。

サル痘という名前は、1958年(昭和33年)にサルから病原体が発見されたことに由来。しかし、本来のウイルス保有動物はリス、ネズミといったげっ歯類です。また、サル痘の感染経路は、「ウイルス保有動物から人への感染」「人から人への感染」に分類されます。

ウイルス保有動物から人への感染

ウイルス保有動物、または感染した動物の血液、体液に触れることで人へ感染。また、調理が不十分な肉、感染した動物の動物製品を食べることでも感染のリスクが高くなります。

人から人への感染

サル痘は人から人へは容易に伝播(でんぱ)するものではありません。しかし、感染した人の血液、咳・痰などの体液、皮膚への病変に触れたり、感染者が使用した寝具などに触れたりすることで、人から人へ直接感染することもあります。

サル痘の予防方法

サル痘の予防方法

厚生労働省は2022年(令和4年)8月2日に、明治グループの製薬会社「KMバイオロジクス」(熊本県熊本市)が生産している天然痘ワクチン(乾燥細胞培養痘そうワクチン)を、サル痘の発症予防として使用することを正式に承認しました。この天然痘ワクチンは、ウイルスの毒性を弱めた「生ワクチン」と呼ばれるタイプ。サル痘の発症予防効果は85%に上ることが確認されています。

なお、天然痘ワクチンは、事前接種だけではなく、感染者との接触後にも打つことも可能。WHOでは、サル痘ウイルスに感染後4日以内(無症状の場合は14日以内)に1回接種することを推奨しています。ただし、妊婦をはじめ、発熱している人、予防接種により障害を来たす恐れのある人、重篤な急性疾患にかかっている人などは、原則、ワクチン接種することができません。

ここでは、その他にもサル痘に対する基本的な感染予防対策についてまとめました。

手洗い、うがいの徹底、十分な換気

サル痘は飛沫感染、接触感染を起こします。新型コロナウイルス感染症の予防対策と同じく、手洗い、うがいをはじめ、アルコール消毒液などを使用した手指消毒、マスク着用、咳エチケットを徹底しましょう。また、十分な換気を行うことも大切です。

共有部分のアルコール消毒

ドアノブ、トイレ、家具など共有する部分の多い場所は、使い捨て手袋を着用してこまめに清掃し、アルコール消毒を行います。清掃後には手指消毒を忘れないようにしましょう。

感染者または有症状者との接触を避ける

人から人への感染は、感染者との長時間における対面が引き起こす場合があります。感染者及び有症状者を看病する際には、患者が着用していた衣類、使用した寝具、タオルなどに直接触れたり、共有したりすることは避けましょう。食器・調理器具においても同様です。なお、WHOでは、患者の衣類などを洗濯するときには、温水による洗浄が推奨されています。使用する洗剤は普段使っている洗剤でも構いません。しっかり洗った後は、再利用が可能です。

サル痘の流行地では保有動物との接触を避ける

サル痘が流行している地域では、リスをはじめ、ネズミ、ウサギ、サルなどの動物との接触は避けましょう。ウイルス保有動物に嚙まれたり、引っ掻かれたりすることで、感染するリスクが高くなります。
また、加熱が十分ではない動物の肉を食べることも避けた方が良いでしょう。

サル痘を疑う症状があった場合

医療機関へ相談

サル痘を疑う症状があった場合、感染拡大防止及び早期治療のために、最寄りの保健所・保健センター、医療機関に相談することが大切。海外からの帰国者で、体調に異常がある場合には、必ず医師に海外渡航歴を伝える必要があります。

受診の際には、マスクを着用し、発疹部位はガーゼなどで覆って、直接皮膚が出ないようにしてから、医療機関に向かいましょう。また、医療機関に向かう際には、公共交通機関は避け、自家用車など他人との接触を避けられる交通手段が望ましいとされています。やむを得ず公共交通機関を利用するときには、十分に対策を取った上で行動しましょう。

医療機関では、水疱、かさぶた、膿疱の内容液などを検体として採取し、PCR検査で感染の有無を調べます。なお、医師は、患者を「サル痘患者」と診断した場合、またはサル痘を疑う患者を診断した場合には、すみやかに最寄りの保健所・保健センターへ感染症法第12条第1項の規定による届出を行わなくてはなりません。

サル痘に感染したら?

サル痘に感染したら?

サル痘に感染した場合、他人との接触を避けなくてはなりません。すべての痂疲が剥がれ落ちて無くなるまで、周囲の人、動物に感染させる恐れがあります。特に免疫不全者、妊婦、12歳未満の小児は重症化する可能性があり、致死率も高くなるため、注意が必要です。

サル痘は、感染症法における4類感染症のため、入院の義務はありません。しかし、日本国内では発生例が少なく、重症化率が不明であることから、入院での治療が望ましいとされています。治療薬の投与に関しても、入院を14日以上継続できる場合に限られているのです。
なお、入院せずに自宅で療養を行う場合には、同居者との寝具、タオル、食器の共用は避けましょう。また、アルコール消毒などによる手指の消毒を行い、部屋は十分に換気することを心掛けます。症状が悪化した際には、ただちに受診している医療機関に連絡し、医師の指示に従いましょう。

サル痘の症状が治まった後も、感染予防対策は引き続き行うことが肝心です。

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