ドクターのイラストカンジダ症とは?症状や原因を解説

「カンジダ症」とは、カンジダ菌によって引き起こされる感染症です。カンジダ菌は健康な人の体内にも存在する常在菌ですが、免疫力の低下などにより菌が増殖し症状が現れます。男性は尿道・性器周辺、女性は膣内・性器周辺にかゆみ、水ぶくれ、おりものといった症状が出現しますが、抗真菌作用のある軟膏と薬で治療が可能。男性の主な感染経路は、カンジダ症を発症している女性との性行為です。 「カンジダ症とは?症状や原因を解説」では、カンジダ症の症状、原因、治療方法、診療科目について解説します。

カンジダ症の症状

カンジダ症の症状

カンジダ症は、男性、女性共に感染する可能性があり、「表在性カンジダ症」と「深在性カンジダ症」の2つに大別されます。大半は表在性カンジダ症で、口腔内に感染する「鵞口瘡」(がこうそう)や「口角炎」を発症する場合も。深在性カンジダ症は、全身的な症状が特徴です。

男性のカンジダ症

男性のカンジダ症は、主に亀頭・陰茎部と尿道の2つの症状に分かれます。

1亀頭・陰茎部の症状

亀頭・陰茎部の症状は「亀頭包皮炎」と呼ばれ、陰部に痛みやかゆみが生じ、日常生活に支障をきたします。具体的な症状の例は、以下の通りです。

  • 白いカス
  • かゆみ
  • ただれ
  • 水ぶくれ
  • 赤み
2尿道の症状

尿道に出現する症状は尿道炎と呼ばれ、具体的な症状は以下の通りです。

  • 排尿時痛
  • 性交時痛

男性の場合、カンジダ菌に感染しても症状が出現することはほとんどありません。排尿時に菌を排出できることや、シャワーで洗い流せることが発症しにくい要因とされています。

女性のカンジダ症

カンジダ症は、性行為による感染を防ぐため、女性に生じる症状を理解しておくことも重要です。

女性のカンジダ症は、膣内の症状と外陰部(がいいんぶ:陰部の外側)の症状の2つに分けられます。膣内の具体的な症状は、白色のおりもの(カッテージチーズ状、酒粕状)、膣内のかゆみ。外陰部に現れる主な症状は、かゆみ、赤み、痛みです。膣内や外陰部に症状がある場合は、他人に感染させる可能性があるため、性行為は避けましょう。

鵞口瘡

鵞口瘡は、カンジダ菌によって起こる口腔内の感染症です。口腔内にクリーム状の白いカスが付着し、無理に取り除こうとすると痛みを伴うことがあります。

口角炎

口角炎で現れる症状は、口角(唇の両端部分)のひび割れです。ひび割れを起こすと口を開けるときに痛みを感じることがあります。

深在性カンジダ症

深在性カンジダ症は、表在性カンジダ症のように性器や口周辺の症状に留まらず、全身に感染が広がる状態です。発熱や血圧低下の他、心臓や腎臓などの臓器に感染する可能性があります。

カンジダ症の原因

カンジダ症の原因

カンジダ症の主な原因は、カンジダ菌と呼ばれる真菌の一種。カンジダ菌は健康な人の粘膜や皮膚にも存在する常在菌で、体内にあっても必ず症状が出現するとは限らず、何らかの要因で異常に増殖することで発症します。主な発症要因は以下の通りです。

  • 疲労
  • 風邪
  • ストレス
  • 糖尿病
  • 発汗による陰部の蒸れ
  • 抗生物質、抗がん剤の服用

カンジダ菌は、体調不良やストレス、疲労によって免疫力が低下すると増殖しやすくなります。また、風邪などで服用する抗生物質や、その他の病気で服用する薬が原因で常在菌のバランスが崩れることも発症の原因です。カンジダ菌は湿度の高い環境で増殖しやすいため、発汗による陰部の蒸れも原因に。

男性の場合は、すでにカンジダ症を発症している人との性行為が原因で感染すると言われています。性行為での感染も、免疫力が低下しているときに起こりやすい傾向です。さらに包茎(陰部の皮が十分にむけない状態)の場合は、菌や汚れが溜まりやすく、包茎でない人と比較するとカンジダ症に感染しやすいとされています。

カンジダ症の治療法

カンジダ症の主な治療方法は、以下の3つです。

  • スキンケア
  • 内服治療
  • 塗り薬

それぞれの治療方法を詳しく見ていきましょう。

スキンケア

カンジダ症は、病院で治療を行うにあたり、まずはスキンケアが重要になります。カンジダ菌の繁殖を防ぐために患部の清潔を保ち、蒸れないように意識しましょう。

患部の清潔を保つためには、十分に洗うことが重要です。洗う際は、石鹸などを使用して強く洗浄するのではなく、軽くお湯で流す程度にしましょう。陰部は強く洗浄すると傷付いて免疫力を下げる可能性があります。特に包茎の場合は汚れが溜まりやすいため注意が必要です。性行為後はシャワーできちんと流すなど、日頃のケアを十分に行いましょう。

また、カンジダ菌は蒸れた環境で繁殖しやすいため、発汗時やプールのあとなどはしっかり乾燥させることが重要です。普段は通気性の良い下着を着用することで、蒸れない環境を保つことができます。

内服治療

カンジダ症の内服治療として処方されるのは、抗真菌薬(真菌を殺す薬)です。服用期間は数日~10日程度。ステロイドを服用している場合は、抗真菌薬を服用しても効かない可能性があります。病院で処方されている薬や、自己判断で服用している薬がある場合は、診察時に申告しておきましょう。

塗り薬

患部に抗真菌作用のある軟膏を使用するのも、カンジダ症の一般的な治療方法です。患部を清潔に保ったうえで、1日に2回程度、約10日間軟膏を塗ることで症状の改善が見込めます。

カンジダ症は、適切な治療を行うことで症状を改善できる病気です。しかし、10%程度は再発するとされているため、日頃から清潔を保ち、陰部が蒸れないように気を付けることが重要になります。また、カンジダ菌を保有していても菌が増殖しなければ発症することはありません。生活習慣を整えてストレスや疲労を避け、カンジダ菌の増殖を防ぎましょう。

カンジダ症の診療科目

カンジダ症は、症状の出ている場所や性別によって診療科が異なります。男性のカンジダ症は以下の診療科を受診しましょう。

  • 性感染症内科
  • 泌尿器科
  • 皮膚科
  • 耳鼻咽喉科

男性の場合、排尿時痛をはじめとする泌尿器の症状であれば、泌尿器科で診察を受けられます。陰茎部や亀頭の症状であれば、他の性感染症についても見てもらえる性感染症内科の受診がおすすめです。口腔内の感染や口角炎などの症状が見られる場合は、耳鼻咽喉科も候補のひとつ。女性のパートナーには、性感染症内科か婦人科、産婦人科を受診してもらいましょう。

カンジダ症の診療は、保険診療と自由診療の2つがあります。保険診療は、症状が出現している状態でないと適用されません。パートナーが感染して、自分が検査のために受診する際は保険が適用されない可能性があります。性感染症内科は自由診療のみ行っている病院もあるため、ホームページなどを利用して事前に確認してから受診しましょう。

執筆・監修ドクター

袴田 康宏(はかまた やすひろ)

所属:聖隷浜松病院 泌尿器科医長

2012年(平成24年)に名古屋市立大学医学部を卒業後、聖隷三方原病院で初期研修をしたのち、2014年(平成26年)より聖隷浜松病院に勤務。泌尿器科全般の診療にあたり、特に泌尿器腫瘍分野を得意としている。日本泌尿器科学会泌尿器科専門医/指導医や日本ロボット外科学会専門医の資格を持ち、薬物治療の他、ロボット手術などにも力を入れている。

保有資格:
日本泌尿器科学会 専門医/指導医・日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医・日本ロボット外科学会専門医

病気の基本情報・知識

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