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【神経科について】
精神疾患を診察する診療科/ホームメイト

診療科目
神経科
神経科とは

「神経科」は、精神疾患に関連する問題や症状を診察し、治療を行う専門診療科。神経科の対象となるのは、不安障害、うつ病、統合失調症、パニック障害、強迫性障害、「適応障害」(てきおうしょうがい)、双極性障害など様々な精神疾患が中心です。さらに、不眠症やストレスによる身体的な症状が現れる場合にも、神経科の受診が推奨されます。

神経科では、患者の精神状態・行動の評価を通じて、精神疾患の診断を実施。「心理検査」(知能などを測る検査)や、面接によるカウンセリングを活用し、患者が抱える問題の背景・原因を探ることで、個々の症状に応じた適切な治療方針を決定するのが一般的な流れです。

神経科における治療法としては、「抗うつ薬」や「抗不安薬」、「抗精神病薬」といった薬物療法を実施。これに加え、認知行動療法や心理療法といった「非薬物療法」も重要な役割を果たします。これらの治療法を組み合わせることで、症状の緩和や再発・予防を図りながら、患者の生活の質を改善させるよう目指しているのです。

また、神経科では患者の心理的な問題だけでなく、身体的な健康状態や社会的な環境も考慮に入れながら、患者一人ひとりに最適な治療計画を立てるのが特徴。これにより、回復を促進し日常生活へのスムーズな復帰を支援します。

代表的な病気(病名)

うつ病(うつびょう)

特徴
「うつ病」とは気分がひどく落ち込む「うつ」の状態が長く続く病気です。気分を自分でコントロールできず普段通りの生活ができなくなってしまう「気分障害」のひとつです。躁うつ病では「うつ状態」と気分がとても高揚する躁の状態を交互にくり返しますが、うつ病では「うつ状態」のみが続きます。うつ病は精神や身体的な過度なストレスなど何らかの要因によって脳内の神経伝達物質に異常が生じるといわれている病気です。そのため、医師による適切な診察や治療が必要です。 うつ病の治療は主に薬物療法と認知行動療法などの精神療法を組み合わせて行なっていきます。治療は初期のうちに始める程、早く回復しやすいと言われています。
症状
うつ病の症状は1日中続く毎日の抑うつ気分とすべての活動における興味の低下、喜びの喪失です。子どもにおいては悲しいというより易怒的となることがあります。その他、食欲、体重、睡眠の変化、気力の減退、自分に価値がないように感じる無価値感、思考、集中、決断の困難さが生じて死にたいと考える自殺念慮や計画・企図があります。他にも、腹痛や腰痛、肩こり、めまい、下痢、便秘などの症状が現れることもあります。
治療法
うつ病治療の基本は休息と、薬物療法です。うつ症状がある程度軽減後に精神療法をあわせて行なうことが推奨されています。薬物療法ではSSRI、SNRI、三環系抗うつ薬など抗うつ薬をメインに、抗不安薬や睡眠導入剤などを補助的に用います。薬物療法は副作用出現の有無を確認するため、少量から様子をみていくのが一般的な方法となります。精神療法では認知療法や認知行動療法などにより認知の是正を図っていきます。

パニック障害(ぱにっくしょうがい)

特徴
「パニック障害」とは動悸やめまい、呼吸困難、手足のふるえ、発汗などに突然襲われる「パニック発作」を繰り返して起こす病気です。血液や心電図に異常は見つからず、問診によってパニック障害と診断されます。パニック障害の原因は脳内にある神経伝達物質の異常でいくつかある神経伝達物質の中でも興奮を抑制する「セロトニン」と緊張や神経を興奮させる「ノルアドレナリン」のバランスがおかしくなってしまうものと考えられています。なぜ脳内でこのような異常が起こるのかは解明されていません。パニック障害の治療は主に「セロトニン」を増やす薬物療法を行ないます。
症状
パニック障害でおきる「パニック発作」とは、強い恐怖または不快感の高まりが数分以内でピークに達し、その時間内に激しい動悸や心拍数の増加、発汗、身震い、息苦しさ、めまい感などの身体的症状が起こるものです。「パニック発作」を何度か経験すると今度はまたパニック発作が起こるのではないかという「予期不安」が出現します。パニック障害を持つ多くの人はパニック障害に伴って、あるいは発症前に不安や広場恐怖症の徴候を示すといわれています。広場恐怖とは、広い場所や公共の交通機関の利用といった状況で起こる強い恐怖や不安であり、めまい、失神、死の恐怖といったパニック様発作が起きたときに脱出が困難で援助が得られないかもしれないと考え、これらの状況を回避しようとするものです。
治療法
パニック障害の最も有効な2つの治療法は薬物療法と認知行動療法です。薬物療法ではSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれる抗うつ薬や、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬を用いて不安を抑えパニック発作を減らしていきます。薬で症状が落ち着いてきたら認知行動療法をあわせて用いることが推奨されています。認知行動療法によりパニック発作についての誤った信念と知識に関する指導を行ない、さらに暴露療法を用いてあえて自分が苦手とする特定の場所や環境がパニック発作と関係ないことを明らかにしていくことによって少しずつ恐怖を取り除き、生活に支障がない程度まで回復させることを目的に行なっていきます。

器質性精神障害(きしつせいせいしんしょうがい)

特徴
「器質性精神障害」とは脳自体の病変やあるいは他の部位の病気のために脳が異常をきたし、精神に障害が起こる病気です。器質性精神障害を引き起こす原因になるのはパーキンソン病やアルツハイマー病などの神経変性疾患、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍など脳の障害や病変、髄膜炎や肺炎などの炎症、インフルエンザなどの感染症、糖尿病や尿毒症などの代謝障害、ビタミンB12欠乏症などの栄養不足、有機水銀、鉛などの金属中毒、ステロイドなどの薬剤性精神障害など様々です。器質性精神障害の治療は医師の適切な診察を受けて原因を調べ、それに対する処置を行なうことが優先されます。脳腫瘍などの場合は外科的な手術が必要になることもあります。
症状
あらゆる精神症状が起こる可能性があります。多いものは原因が特にないのにうつ状態や不機嫌になるなどの感情障害です。被害妄想や幻覚、不安に襲われることもあります。思考がまとまらず、言葉がうまく出ないことで興奮状態になることもあります。記憶や認識に障害が出る認知症状が現れるのも器質性精神障害の代表的な症状です。情緒が不安定になり、うつ状態になったり無気力になったりするなど人格が変わったように見えることもあります。また、就寝時間ではないときに昏睡状態となったり、ぼんやりとして注意力が著しく低下したりする意識障害の症状も現れます。
治療法
器質性精神障害の治療ではその原因となる基礎疾患の発見・治療を最優先にすることが重要。脳腫瘍により精神神経症状があらわれている場合には腫瘍の発見、及び除去による早急な対処が必要です。腫瘍を除去してしまえばほとんどの患者で精神症状は治まります。このような脳疾患による器質性精神障害治療のポイントは、可能な限り早急な脳の検査と外科的手術を行なうこと。肺炎や感染症などによるものでも基礎疾患の治療を第一優先に置くことが大切です。ビタミンB12欠乏などの栄養事情によるものでは、欠乏した栄養素を経口的に補うことで対処します。

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)

特徴
「睡眠時無呼吸症候群」とは睡眠中に呼吸が何度か止まり、血液中の酸素が減って身体機能に支障が出る病気です。睡眠時無呼吸症候群の主な原因は呼吸をするときに空気が通る「上気道」が狭くなっていることです。これには首や扁桃腺の周りの脂肪が増え、舌根などが上気道を圧迫していることなどが関係しています。治療は上気道を広くする外科手術などを行ないます。また発症例は少ないものの、脳から呼吸指令が出ないという呼吸中枢の異常により睡眠時無呼吸症候群となることもあります。この場合は異常の原因となっている病気を治療することで改善を図ります。
症状
睡眠中に大きないびきを毎日かき、呼吸が途中で10秒以上止まることがあります。これらは睡眠中に現れる症状のため自覚ができないこともあります。同居している家族などに症状を確認してもらうことで気づくことができます。この他、睡眠中にむせたり、何度も目が覚めてトイレに行ったり寝汗をよくかくという症状も現れます。また、睡眠が十分にとれないことで昼間の活動に支障が出ます。具体的には運転中に眠くなるなど日中に眠気が襲ってきます。よく寝たつもりなのに朝起きたときに疲労感や頭痛があったり、体重増加、倦怠感、集中力の低下が見られたりもします。
治療法
肥満によって気道の閉塞が起こっている場合には体重の減量が必要。中等度・重症の患者ではCPAPという鼻につけたマスクから空気を気道に送り込む治療で気道の閉塞を防ぎます。歯科のマウスピースをはめて気道を広げ、症状の軽減を図る方法は軽度・中等度の患者が対象です。扁桃腺の肥大などの喉の形態異常で気道が塞がれている場合は手術で切除することも少なくありません。呼吸の指令が出ずに起こる中枢性の睡眠時無呼吸障害の治療法は、原因となる症状に対して薬物療法や酸素投与をします。

てんかん

特徴
「てんかん」とは脳の神経細胞が突然過剰に興奮することによって意識の喪失や筋肉の緊張、けいれんといった様々な発作を繰り返し起こす病気です。その原因は脳や髄膜の炎症、外傷などによる脳の損傷など様々です。ただし検査をしても原因が分からないこともあります。治療は薬物療法によって発作をコントロールしていきます。てんかんのタイプやコントロール状況によっては運転や仕事などに制限が出てくることがあります。そのため専門家としっかり相談していく必要があります。
症状
てんかんは脳の大部分が興奮しておこる全般発作と脳の特定の部位から起こる部分発作に大別されます。全般発作では突然意識を失い、口を固く食いしばり、呼吸が止まり、全身をばたばたと大きく震わせる「強直間代性発作」がみられることが特徴です。発作は1分程度で多くの場合そのまま眠ってしまうか、もうろうとした状態が続きます。一方、部分発作には発作時に意識障害のない単純部分発作と発作時に意識障害がある複雑部分発作に分類されます。単純部分発作では手足や顔がねじれる、ガクガクとけいれんする、体全体が片方に引かれる、回転する等運動機能の障害や光が見える、音が響く、耳が聞こえにくい等の感覚の異常、頭痛や吐き気といった自律神経の異常といった多彩な症状がみられます。複雑部分発作では徐々に意識が遠のいていき、周囲の状況が分からなくなる発作で発作時の記憶障害がみられます。意識障害時に倒れることは少なく、 急に動作を止め、顔をボーっとさせたり、フラフラと歩き回る、手をたたく、口をモグモグさせるといった無意味な動作を繰り返すなどの症状がみられます。
5~10分間以上発作が続いたり、短い発作でも繰り返し起こりその間の意識がない状態はてんかん重積状態と呼ばれ、生命に危険が及ぶ可能性があります。
治療法
てんかんの治療でまず大切なことは「正しい知識を持つ」ことです。基本は薬物治療で抗てんかん薬により脳の過剰な神経細胞の電気的興奮を抑えていきます。発作を起こす可能性がある間は続けて服用していく必要があります。毎日規則正しく服用を行ない、できるだけ生活リズムを整えストレスを抱えないことも大事です。調子が良いから、面倒くさいからといって勝手に服薬を中断しないようにしましょう。部分発作では外科治療の適応になることもあります。

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