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【成育医療科】
横隔膜ヘルニア・乳児痔瘻など成育医療科で受けられる診療

成育医療科
診療科目
成育医療科

「成育医療科」は生殖や成長分野の医療を担う診療科です。

母親のお腹の中に命が宿る妊娠から始まり、胎児、出産、新生児、小児、青年、成人男女になるまでのライフサイクルのなかで起こる生殖や成育にかかわる身体や精神の病を総合的にみる、という「成育医療」の考え方に基づいたものです。

成育医療科や成育医療センターが近年各地で設立されており、比較的新しい診療科と言えます。医療機関によって異なりますが、産科、婦人科、新生児科、小児科、小児外科、歯科、口腔外科、消化器外科、生殖医療科などの各分野をチームで総合的に提供します。

成育医療科の対象となる病気は、新生児にみられる先天性の食道閉鎖症や横隔膜ヘルニア、十二指腸閉鎖症、消化管運動障害などの他、乳児痔瘻や膵胆管合流異常症、メッケル憩室など、主に小児が発症しやすい病気やケガなどです。

代表的な病気(病名)

横隔膜ヘルニア(おうかくまくへるにあ)

特徴
「横隔膜ヘルニア」とは、お腹と胸のはざ間にある横隔膜の一部に孔(あな)が開き、お腹の中にある臓器が胸のほうに出てしまう病気です。先天性のものと後天性のものがあります。新生児が発症する先天性のものは小腸や大腸が飛び出てしまう「ボホダレックヘルニア」、横隔膜がろっ骨に十分に付着できずにお腹の臓器が胸のほうへ入ってしまう「傍胸骨孔ヘルニア」などです。先天性の横隔膜ヘルニアの原因ははっきりと解明されていませんが、胎児が横隔膜を形成するときに異常が起こることと考えられています。特に生後間もなく発症した横隔膜ヘルニアは命にかかわる重病です。治療は外科的な手術を行ないます。
症状
代表的な先天性横隔膜ヘルニアの症状は次の通りです。
ボホダレックヘルニア
生まれてすぐに人工呼吸が必要になるほどの呼吸不全や多呼吸がみられます。爪や口唇などが青紫色になるチアノーゼの症状もみられます。お腹がへこんでいて、胸のあたりが膨れて盛り上がった状態になります。出生直後から人工呼吸器が必要になる場合が多いです。胸腔内に腸が入り込んでいるので胎児期から肺の成長が悪く、肺が個形成となっていることが多いため。
傍胸骨孔ヘルニア
症状がほとんどみられません。風邪をひいて検査をしたときなどに発覚する例が多くあり、治療は比較的簡単とされています。しかし、自然に治癒することはなく、呼吸困難な状態へと悪化する危険もあるので気づいたらすぐに医療機関を受診することが望まれます。
治療法
先天性の横隔膜ヘルニアの治療法は手術です。肺がどのくらい個形成であるか、他の合併奇形の有無などにより救命率が変わりますが、出生後24時間以降の発症ではほぼ100%存命、治すことが可能です。手術前には肺や心臓に負担がかからないようにし、全身の状態を安定させることが必要です。
手術では胸の方に出てきている臓器をお腹の方へ戻し、その後、横隔膜の穴をふさぎます。穴が小さい場合には横隔膜を縫い合わせますが、穴が大きい場合には人工のシートを使わなければなりません。重症の場合には肺の成長が十分でないことも多く、肺が成長するまでに時間がかかることから手術後も成長に合わせてフォローが必要となることが多いです。手術自体よりも術前術後の管理を含めて難しい管理が必要な場合が多いです。

乳児痔瘻(にゅうじじろう)

特徴
「乳児痔瘻」とは肛門の右や左側に膿が溜まり、腫れたり膿が出たりする状態のことで成人の痔瘻と区別されています。生後1ヵ月から1歳頃の乳児には珍しくない病気のひとつですが、放置すると重症化し治療後も再発しやすくなります。原因ははっきり解明されていませんが、肛門より内側にある腸で起きた炎症が肛門に及んでしまうことが考えられています。この他、オムツかぶれにより傷ついた粘膜に細菌が感染してしまうことも原因に挙げられます。乳児痔瘻の治療は膿が溜まっている部分の皮膚に少し穴をあけ、膿を外に出す処置を行ないます。再び膿が溜まっていたらそのつど処置を行ないます。
症状
肛門の周りが赤く腫れます。膿をもつと痛みが起こるため赤ちゃんは機嫌が悪くなり、よく泣くようになります。膿が多くたまると熱が出ます。皮膚が腫れ上がって破れて膿が出ると皮膚の腫れや熱が治まりますが、膿は再び出てきます。破れた部分が塞がれると溜まってきた膿で皮膚が赤く腫れ、破れて膿が出るという症状が繰り返し起こります。オムツかぶれは症状の悪化にかかわるので肛門の周りを清潔に保ち、乾燥させることが大切です。こまめにオムツを交換する、可能な限り、赤ちゃんのお尻を湯で洗うなどの方法で症状が改善します。
治療法
乳児痔瘻は大人の痔瘻とは異なり、基本的には自然治癒にまかせ、経過の観察をしながら治療をしていきます。しかし1歳まで再発を繰り返すことが多く、経過が長くなる場合が多いです。膿が出ているときは指で押しながら膿を出して大丈夫ですが、膿瘍が腫れていて膿が出ない場合は病院で切開してもらい排膿をしなければいけません。
基本的には抗生剤や消毒は不要ですが、もし抗生剤の服用をする場合は軟便・水様便の原因となるため注意が必要です。また、抗生物質含有の軟膏を使用する場合もあります。下痢のときは症状が悪化するため、離乳食前の時期であれば早めに離乳食に切り替えることも有効。なお、1歳を過ぎても再発を繰り返す場合も手術治療や漢方治療を行なうことがあります。

ヒルシュスプルング病(ひるしゅすぷるんぐびょう)

特徴
「ヒルシュスプルング病」とは重度の便秘症や腸閉塞を起こす病気で、5000人にひとりの頻度で見られる病気です。ヒルシュスプルング病の原因は、大腸や小腸などの壁にある神経節細胞の先天的な欠如とされています。通常、この神経節細胞が腸に運ばれてきた食物を感じとることで大腸や小腸が伸びたり縮んだりする「蠕動運動」を行なうため、神経節細胞がないと排便が困難になります。治療は神経節細胞がない部分の広さがどれだけあるかによって異なります。治療は基本は手術であり、正常な腸管を肛門におろして排便できるようにします。
症状
通常、赤ちゃんは母親の胎内で飲みこんだ羊水や腸液を生後間もなく「胎便」として排泄しますが、ヒルシュスプルング病にかかっているとその排泄が遅くなります。お腹に便やガスが溜まり、お腹が膨満して大きく盛り上がります。授乳を行なっても赤ちゃんの哺乳力が弱く感じられます。嘔吐があり、嘔吐物には緑色の胆汁が混ざっていることがあります。ヒルシュスプルング病が悪化すると体重が順調に増えず、栄養不足の症状も現れます。新生児の便秘が続くときには胎便やおならの排出頻度、時期、便の状態、哺乳の様子、体重がきちんと増加しているかなどを確認しておくことが早期発見の鍵になると言えます。
多くの場合、症状は重く強い嘔吐や非常に強いおなかの張りや腸炎や腸壊死など非常に危険な状態になることもあります。
治療法
ヒルシュスプルング病は薬などで治すことはできません。お尻から管を入れてガスを抜いたり腸を洗ったりすることで一時的に症状が改善することもありますが、完全に治すには手術が必要です。手術では腸の異常がある部分を切除して正常な部分をつなぎ合わせ、必要に応じて人工肛門を作ります。切除する範囲が長い場合には水分や栄養が十分にとれなくなる可能性があるので、長期の入院や在宅での治療が必要になる場合も少なくありません。

メコニウムイレウス(めこにうむいれうす)

特徴
「メコニウムイレウス」とは「胎便閉寒性疾患」、「胎便性イレウス」とも言われる病気です。新生児は通常、誕生後から間もなく母親の胎内で飲みこんだ羊水や腸液を「胎便」として排泄しますが、これが出ないことで発覚します。原因は嚢胞性繊維症の初期症状としてみられることが最も多く、消化管分泌物が極めて粘調となり、回腸末端レベルで閉塞することが多いようです。 ヒルシュスプルング病や嚢胞性繊維症と識別するためのX線検査等を行なう必要があります。
症状
赤ちゃんが生まれて間もなく出るはずの緑がかった黒っぽい胎便を排泄せず、黄褐色の胆汁が混ざった汁を嘔吐する症状がみられます。お腹が膨満して大きく盛り上がるのもメコニウムイレウスの特徴です。多くの場合便秘を伴います。腹膜炎や呼吸窮迫などの重い症状があれば、緊急手術などの治療を行ないます。メコニウムイレウスは嚢胞性線維症の一症状として現れている場合が多く、嚢胞性線維症の検査も受けることが望まれます。お腹をX線で撮影すると、メコニウムイレウス患者の場合は腸管が拡張した様子や、胎便に気泡が浮いているような様子が映し出されます。
治療法
メコニウムイレウスの治療は主にX線造影剤による注腸(造影剤・薬剤などを肛門から腸内に注入)です。他に合併症がみられない場合、希釈造影剤にN-アセチルシステインを加え注腸を1回以上行なうことで閉塞の症状を良くすることができます。もし注腸を行なっても閉塞の症状が軽減されない場合は開腹手術が必要になります。基本的に異常な胎便を除去するために必要なことは、二連銃式回腸瘻造設術の施行、ならびにN-アセチルシステインによる近位・遠位のループ洗浄の繰り返しです。

食道アカラシア(しょくどうあからしあ)

特徴
「食道アカラシア」とは、食道と胃のつなぎ目にある部位「食道胃接合部」において、弛緩機能が働かない病気です。通常、食物や水分を飲み込むと食道胃接合部が緩み、胃へと摂取物を流し入れます。また、胃の中で消化を行なうときには食道胃接合部が収縮して逆流を防ぎます。胃に近い食道の壁の中の神経に異常があるためにその部分の食道の筋肉がいつも縮んだ状態となり、摂取物が食堂の中に溜まってしまいます。 食道アカラシアの原因ははっきりと解明されていませんが、ウイルス感染などにより食道胃接合部を形づくる細胞が変異することが考えられています。 日本では10万人にひとりの確率で発症する病気であり原因は不明。小児にもみられる病気のひとつですが、小児より成人に多く見られます。
症状
食べたあとに胸に何かがつっかえたような感じがあり、食べ物を飲み込む「嚥下」という行為が困難になります。形のあるものよりも液体のものを飲み込みにくい患者もいます。嚥下のときに痛みが走ることもあります。こうした嚥下時の症状は一度現れてもまた治り、再発する、ということが多くあります。鼻や口から胃液や唾液が逆流して出てしまうこともあり、そこから肺炎を併発することもあります。食道アカラシアの検査はバリウム検査では確定診断はできません。食道内圧を測定する検査や食道透視検査・内視鏡検査を行ないます。食道アカラシアであればこの視鏡検査で食道機能の異常が見つかります。
治療法
食道アカラシアの治療には生活習慣の改善や薬物療法、内視鏡を使う治療、手術などがあります。食道アカラシアの患者は食後すぐに就寝すると食道内の食物が逆流して症状が現れやすくなるので、このような習慣を改善することが大切です。
薬物療法では食道胃接合部の筋肉をゆるめて通りを良くする薬や漢方薬を使うこともあります。また、内視鏡を使ってせまくなっている部分を広げる治療が行なわれるケースも多く、さらに重症の場合には食道を広げる手術を行なうこともあります。根本的な治療は手術です。