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旅行で病気が治る!? 医療ツーリズムとは何か



「医療ツーリズム」とは、狭義には医療を受ける目的で他の国へ渡航することです。広義には単に医療サービスを受けるだけでなく、観光も行なう旅行が含まれます。医療観光やメディカルツーリズムと同義語です。

2011年(平成23年)12月末時点で、世界約50ヵ国で実施されています。アジアを中心に諸外国での市場規模が拡大している中、日本でも外国人患者の誘致に積極的な医療機関が増加しています。旅行会社がタッグを組み、検診ツアーや治療の医療コーディネイトを始めています。

医療ツーリズムの歴史

医療ツーリズムの歴史

医療ツーリズムの歴史は古く、古代の人々が地中海からギリシャ神話に登場するアスクレーピオスの治療の地へと巡礼、及び療養に訪れたことに起因しています。日本の湯治や欧米のスパなどへの治療と行楽をかねた物も、現在の医療ツーリズムに通じています。

医療ツーリズムの先進国

医療ツーリズムの先進国

東アジアを中心とした医療ツーリズムが成長の一途を辿っています。インドやタイ、シンガポール、マレーシアが主な受け入れ国となっています。近年は、韓国への医療ツーリズムも増えています。では、なぜこれらの国が選ばれるのでしょうか。

①高い医療技術
以前は一定の水準以上の医療は先進国でしか受けられなかった物が、近年、渡航先となるアジア諸国でも受けられるようになったことが大きな要因です。アジア諸国にJCI(国際的医療認証機構)公認の病院がいくつもあるというのも、欧米からの患者に支持されている理由のひとつです。また、中東やアジア周辺国の富裕層も、高い医療技術を求めて訪れます。
②安価な治療費
アジア諸国での治療費は、先進国の20~50%程で抑えられるとあって、アメリカや、ヨーロッパ、オーストラリアから多数の患者が訪れます。医療目的は心臓の移植手術や、がん治療だけではなく、美容整形、歯科治療、人間ドックなどの検診など様々です。
③待機時間の短縮
インド、タイ、シンガポールなどの国々では、手術に対する待機時間がなく、すぐに治療を行なうことができ、長い待ち時間といった自国の医療が持つデメリットも解消できます。
④国家的な取り組み
医療ツーリズムの先進国は、2000年前後から、外貨獲得や内需拡大といった目的により国家的取り組みを行なってきました。シンガポールでは、世界水準の高度な医療だけでなく、滞在中の利便性や快適性の向上、外国語での専用窓口、宗教や文化風習に応じた食事など充実したサービスが外国人患者の支持を受けています。
また、タイでは、2003年(平成15年)政府が「アジアの健康首都」を宣言し、外国人患者の受け入れを推進してきました。高水準な医療や低コストの医療と共に、スパやマッサージといったヘルスケア分野も魅力となっています。

日本における医療ツーリズムの推進

日本における医療ツーリズムの推進

アジアの医療ツーリズム先進国から、少し出遅れた日本。2009年(平成21年)「新成長戦略(基本方針)」に医療ツーリズムへの取り組みが盛り込まれ、関係各省庁も取り組みを開始しています。外国人誘致に積極的な病院や、医療ツーリズムに注目している旅行業界なども動き始め、地方自治体レベルでの取り組みも活発化しています。

①潜在的な需要
日本政策投資銀行によれば、2020年時点で、年間43万人の需要が潜在的にあるとみています。観光を含む市場規模は約5,500億円に達すると試算されています。日本は、MRIやCTの保有台数が世界でも群を抜いて高く、高性能の検査を受けられるメリットがあります。豊富な医療資源をうまくアピールできるかどうかが重要です。
②今後の課題
コスト面を見ると、他のアジア諸国に比べ、手術費用や入院費用は決して安価ではありません。低コスト以外の付加価値を見いだす必要があります。また、海外の富裕層を優先することで、地域医療の崩壊も懸念する声や、医療事故が起きた場合の責任の所在など、解決しなければならない問題点も山積みです。