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病院・医院情報

どうしてお医者さんが足りないの?
医師・看護士不足問題のいま



近年、わが国では、深刻な医師不足が続いています。特に深刻なのは、産科、小児科などの勤務がハードな診療科。地域格差にも歯止めがかからない状況で、医師不足は医療崩壊の大きな要因のひとつともなっています。同じく、看護師不足も医療界が長年抱えている課題であり、病院の経営を左右する程の大きな問題です。

医師の不足と偏在の現状

医師の不足と偏在の現状

厚生労働省が2009年(平成21年)に行なった調査によると、立ち入り検査を行なった8,214施設のうち、医療法に規定された医師の標準数を満たしている病院は90.0%でした。特に中小病院での医師の不足が目立っており、特定の診療科を休診・閉鎖したり、閉院へと追い込まれる病院が出てきています。勤務医が足りなくなり、募集しても医師が集まらないことが原因です。

地域、診療科による偏在も問題となっています。北海道・東北の病院の充足率が取り分け低いなど、地域格差に歯止めがかかりません。また、産科、小児科、麻酔科、外科などの勤務が過酷な診療科の志願者は軒並み減少しています。特に産科医不足は深刻で、産科を休診したり、分娩の受入れ体制を制限する病院や、分娩をやめて外来のみにする産婦人科医も増えています。

医師不足の要因

医師不足の要因

医師不足の大きな要因は、医局制度の崩壊です。また、特に問題が深刻な産科や小児科では、女性医師の増加に伴う出産・育児との両立問題も絡んでいます。

①医局制度の崩壊
取り分け中小病院や人口が少ない地方の病院が医師不足に陥っていますが、大きな要因となっているのが「医局制度」の崩壊です。医局というのは、主に大学医学部・歯学部・病院等においてそれぞれの研究室、診療科、教室ごとのグループ組織のこと。以前は「医局制度」と言って、医師は医局からの紹介によって就職することが一般的でした。大学の医局の指示によって、中小病院やへき地の病院へも医師を派遣していたのです。
しかし、2004年の新研修医制度導入などの新たな政策の導入により、医局制度は崩壊しました。その結果、以前なら医学部卒業後は大学の医局に入局していたであろう卒後医師の多くが、医学部卒業後の研修先として、立地と待遇の良い都市部の民間病院や公的病院を選ぶようになったため、医局に入局する医師の数が激減することになりました。その影響で、地方や中小の基幹病院に医師を派遣できなくなってしまったのです。
②増加する女性医師のための勤務体制の不備
医師不足が特に深刻な産科・小児科は、どちらも20~30代の女性医師の割合が多くなっています。結婚や出産などに伴うライフスタイルの変化により、フルタイムで当直までできる医師の実数が減少しているという実態があります。

看護師不足の現状と要因

看護師不足の現状と要因

看護師不足は、医療界が常に抱えてきた大きな課題です。看護師の数が足りないために、病院を一部閉鎖したり、手術待ちの患者が増えたりしている病院もあり、病院経営を左右することさえあります。

①深刻な離職率の高さ
慢性的な離職率の高さが、看護師不足の大きな要因です。日本看護協会の「病院の看護職員受給状況調査」によれば、2010年(平成22年)、全国の病院の常勤看護職員の離職率は11.2%、新卒離職率は8.6%でした。平均夜勤回数は三交代制で月7.8回、二交代制で月4.6回でした。相当ハードな勤務状況と言えるでしょう。
②看護師不足の要因
ハードな勤務体制や女性ならではのライフスタイルの変化に起因する離職率の高さに加え、社会の急速な高齢化により、看護師の活躍が必要とされる場が増えていることも、看護師不足の要因です。また、他の先進国と比べて日本は急性期病床が多く入院期間が長いため、その分多数の看護師が必要とされます。

医師・看護師不足への対策

医師・看護師不足への対策

医師・看護師が快適に働けるよう、勤務体制の整備が急務となっています。また、特定看護師制度の導入も検討されつつあります。

①勤務体制の整備
ハードな診療科では、特に当直後休めるような、さらに女性医師が出産後も働きやすい環境を整備する必要があります。看護師不足の解決に向けても、離職を防ぐため、情熱を持った看護師たちが、結婚・出産後も燃え尽きることなく働き続けられる職場環境を作っていくことが急務でしょう。
②特定看護師制度の導入
医師不足解決のため、勤務医の負担を軽くするために、導入の検討を進めているのが「特定看護師」(仮称)の創設です。医師の指示に基づき、これまで看護師ができなかった、傷口の縫合、人工呼吸器を付ける患者の器菅挿管、床ずれの処置、在宅医療や外来での薬の変更や中止を行なうことが想定されています。
厚生労働省の「チーム医療の推進に関する検討会」が打ち出した提案で、すでに養成を始めている大学院もありますが、日本医師会は、「診療・治療などの行為は専門知識を持った医師が担うべきで、看護師では患者に危害が及ぶ恐れがある」と強く反対しているなど賛否両論あるようです。