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【医師監修】「切迫流産」「切迫早産」は、実際に流産・早産をした状態だけでなく、「このままでは流産・早産をするかもしれない」という状態も指します。切迫流産・切迫早産になったらすぐ、産婦人科や家でできる治療・対処をしなければいけません。今回は、妊婦さんにぜひ知っておいてほしい「切迫流産・切迫早産の症状や予防法」についてお話します。

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もしや…切迫流産・切迫早産!?症状と予防のポイント

切迫流産・切迫早産について

あなたは、切迫流産・切迫早産について正しい知識を持っていますか?

切迫流産・切迫早産とは、正期産である37週よりも早い時期に流産・出産をしそうになること。

日本では、妊娠してから22週未満で流産しそうになることを切迫流産、37週未満の状態で出産しそうになることを切迫早産と言います。

産婦人科の病院では、切迫流産も切迫早産も比較的よく耳にする言葉。

実際に、流産を経験する割合は妊娠中の人の15%程度、早産では5%程度だと言われており、決して少ないとは言えません。

しかし切迫流産・切迫早産は、産婦人科の病院でお腹の張りを抑える点滴を打ったり、程度によっては手術や入院を行なったりすることで、治療ができる場合もあるんです。

今回は、切迫流産・切迫早産の症状や予防法など、妊婦さんにぜひ知っておいてもらいたいことをまとめました。

切迫流産・切迫早産とは?

切迫流産・切迫早産とは?

切迫流産も切迫早産も、実際に流産あるいは早産をした状態ではなく、そうなる一歩手前の状態のことを指します。

つまり、切迫流産や切迫早産が判明したら、なるべく妊娠週数の37週以降に出産できるように対処しなければなりません。

そのためには、出産時期をコントロールする治療を行なうことが重要になってきます。

切迫流産とは

切迫流産とは

先程お伝えした通り、切迫流産とは妊娠22週未満で出産しそうになること、もしくは赤ちゃんが死にそうになること。

ほとんどの場合、妊娠週数12週未満の早い時期に起こります。

流産の中でも「稽留流産(けいりゅうりゅうざん)」「進行性流産」「感染流産」などの妊娠継続が難しい流産の場合、いずれも産婦人科の病院では出産に向けた治療を行なうよりも、経過観察や子宮内容除去手術を行なうことがほとんどです。

切迫早産と言ってもいくつか原因や状態があります

切迫早産と言ってもいくつか原因や状態があります

切迫早産は、「妊娠22週は過ぎているが37週に満たない時期」に出産しそうになっている状態を指します。

代表的な切迫早産は、「子宮口が開いてしまう」または「破水してしまう」状態。

子宮口が開いてしまう原因はいくつかありますが、基本的に産婦人科の病院では子宮口を締める治療や、現状よりも広がらないように生活を見直す指導などが採られます。

破水してしまった場合は、赤ちゃんが自立呼吸できる可能性が高まる34週までは産婦人科の病院で抗生剤を使い、母体内の細菌感染を防ぐ治療が行なわれることが多いです。

どんな人が切迫流産・切迫早産になりやすいの?

どんな人が切迫流産・切迫早産になりやすいの?

切迫流産になりやすい人とは?

切迫流産の中で最も多いのは、赤ちゃんに染色体異常などの原因がある場合と言われています。

この場合は、妊娠初期(12週まで)に流産してしまうことが多いようです。

また、多胎妊娠(双子以上の赤ちゃんの妊娠)でも切迫流産のリスクが高まると言われています。

しかし赤ちゃんだけでなく母体に切迫流産の原因があることもあり、代表的なものは

  • 子宮の入り口が開きやすくなる頸管無力症(けいかんむりょくしょう)
  • 子宮内にできる良性腫瘍の子宮筋腫
  • 子宮の炎症

などです。

切迫早産になりやすい人とは?

切迫早産になりやすい人とは?

一方、切迫早産になりやすい人は、子宮に何らかの病気を抱えている人やストレスの多い環境にいる人、あるいは妊娠に影響を与える感染症にかかっている人などが多くなります。

また、タバコを吸い続けた場合や、腹部に大きな衝撃を受けるなどした場合も切迫早産のリスクが高まりますので、注意が必要です。

切迫流産・切迫早産の原因と兆候、そして症状とは?

切迫流産・切迫早産の原因と兆候、そして症状とは?

切迫流産の原因・兆候や症状とは?

ここでは、切迫流産の原因・兆候や症状についてお話します。

切迫流産の原因と兆候

妊娠週数12週未満での流産が、流産全体の約80%を占めます。

この場合は兆候がなく、突然切迫流産になることが多いようです。

妊婦の体調や感染症などが原因でない場合の切迫流産は、有効な治療方法が見つかっていないため、現状では経過を注視するしかありません。

しかし精神的なストレスは母子ともに悪影響を受けますので、あまり神経質にならないようにすることが大切です。

なお、染色体の異常以外で起こる切迫流産の兆候には、

  • 不正出血
  • 腹痛

があります。

切迫流産の症状

切迫流産の症状としては、止まらない出血・多量の出血や、強い腹痛が起こることも…。

このような症状があった場合には、必ず産婦人科の病院を受診して下さい。

切迫早産の原因・兆候や症状とは?

ここでは、切迫早産の原因・兆候や症状についてお話します。

切迫早産の原因と兆候

切迫早産の原因と兆候

切迫早産の原因として挙げられるのは、子宮筋腫や子宮頸管無力症、妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)、胎児機能不全など。

しかし、早産の原因は感染症や体質によるところが大きいとも言われています。

細菌感染で注意したいのは、絨毛膜羊膜炎(じゅうもうまくようまくえん)と呼ばれる状態。

膣内感染に始まり、やがて頸管炎を引き起こし、さらに卵膜から子宮へと炎症が広がり羊水まで達した状態のことです。

絨毛膜羊膜炎にまで症状が進むと、破水のリスクが高くなりますし、下腹部痛やおりものがきつくなるなどの症状も出ます。

細菌感染は常在菌が原因のこともありますが、クラミジアの感染が原因となることもあるので注意しましょう。

また、妊娠中になにか異常を感じたら、個人で原因を探ったり改善に努めたりするよりも、すぐに産婦人科の病院を受診するようにしましょう。

切迫早産の症状

切迫早産の症状

切迫早産が起こるのは妊娠22週以降なので、お腹の張りや痛みなど、ある程度の自覚症状を感じる場合が多くなります。

以下のような症状が出た場合は、産婦人科の病院に指示を仰ぐようにして下さい。

いつもより強い腹痛

妊婦はお腹に張りを感じたり、痛みを感じたりすることがよくありますが、普段よりも強い張りや痛み、または症状が長引く感じがした場合には、異常が発生している可能性があります。

まずは産婦人科の病院に電話などをして症状を伝え、指示を受けるようにしましょう。

正産期前(妊娠週数37週未満)の出血

正産期前(妊娠週数37週未満)の出血

妊娠37週未満での出血は、切迫早産の疑いがあります。

基本的に出血は出産の兆候、または、何らかの異常がある可能性が高いので、定期健診でなくとも産婦人科の病院を受診した方が良いでしょう。

破水

破水

通常の出産でも破水はしますが、こちらも37週未満で起こってしまうと早産の可能性が高くなります。

妊婦は尿漏れを起こしやすくなるので、破水と尿漏れを勘違いしがちだと言われていますが、普段の尿漏れとは違う臭い、色、量の場合にはよく観察して、産婦人科の病院に確認を取るようにしましょう。

切迫流産・切迫早産にならないために気を付けること

切迫流産・切迫早産にならないために気を付けること

切迫流産では、外的な衝撃による腹痛や出血などがあった場合、すぐに産婦人科の受診が必要です。

切迫早産に関しては、感染症やストレス、過度の運動や仕事のしすぎを避けましょう。

妊娠はそれだけで重労働ですので、なるべく体をいたわり、赤ちゃんにも衝撃を与えないように注意することが求められます。

万が一、感染症や外的な衝撃を受けるようなことがあれば、早めに産婦人科の病院を受診して下さい。

いずれにしても、体のことを第一に考えることが切迫流産・切迫早産を避ける重要なポイントだと言えます。

切迫流産・切迫早産になった場合の産婦人科の病院での治療法

切迫流産・切迫早産になった場合の産婦人科の病院での治療法

切迫流産の産婦人科での治療法

先程もお伝えした通り、切迫流産の場合は、病院で積極的に妊娠を継続する治療方法は確立されていません。

子宮内の赤ちゃんがすでに死亡している場合は、子宮内容除去手術が行なわれます。

切迫早産の産婦人科での治療法

切迫早産の治療で使われるのは、子宮収縮抑制剤(しきゅうしゅうしゅくよくせいざい)という点滴や経口薬。

子宮収縮が強く、子宮口が開いてきている場合に使用します。

また、感染症が原因の場合には抗菌剤を投与したり、子宮頸管無力症で子宮口が拡大しているときには子宮頸管縫縮術(しきゅうけいかんほうしゅくじゅつ)という手術をしたりする方法が選択肢として挙がるようです。

切迫早産・切迫流産になった場合の、自宅での過ごし方(絶対安静・家事禁止)

切迫早産・切迫流産になった場合の、自宅での過ごし方(絶対安静・家事禁止)

切迫早産の場合も切迫流産の場合も、まずは絶対安静が基本です。

産婦人科医から自宅療養を指示されたときは、たいていの場合絶対安静で、布団からの起き上がりに制限が付くこともよくあります。

薬の効き方や症状にもよりますが、絶対安静の指示が出ている場合は、トイレに行くとき以外は布団で過ごすのが一般的でしょう。

どうしても家事をしなければならない場合や、育児をしなければならない場合は医師と相談して、どの程度であれば行なって良いか確認して下さい。

自己判断での対応はしてはいけません。

切迫流産も切迫早産も、母子ともに大きな負担を与えます。

妊婦はもちろん、周りの家族もしっかりとフォローする体制を整えることが大切です。

また、どうしても仕事をしなければならない場合もありますが、妊娠が分かったら仕事量を減らしたり、体に負担がかからないような業務に変更してもらったりして、ストレスも体の負担も軽減するようにしましょう。

■参考参照サイト:

※この記事は、2017年7月時点の情報に基づいて作成されています。

監修医師プロフィール

産業医 山田 琢之たくじ 先生 (エスエル医療グループ栄内科

エスエル医療グループ栄内科 院長 山田 琢之先生

略歴

昭和30年
愛知県生まれ
昭和54年
愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局
昭和60年
名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医
平成5年
医学博士(名古屋大学)
平成6年
愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
平成8年
名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
平成12年
エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長
平成13年
愛知医科大学客員教授
平成20年
日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

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