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【医師監修】風邪や鼻づまりから、耳が痛くなる「中耳炎(ちゅうじえん)」。耳の構造の違いから、10歳位までの子どもに多い病気です。今回は中耳炎の種類ごとに、症状、原因、治し方や、再発予防で気を付けることについてお話します。

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シャワーも可能!?中耳炎の種類別の症状・原因・治し方マニュアル

耳の痛み

風邪や鼻づまりをきっかけに耳に細菌が入って膿がたまり、耳が痛くなる「中耳炎(ちゅうじえん)」。

特に就学前の子どもに多い病気です。

「中耳炎になるとお風呂に入れない」と思っている方もいますが、実は医師からの特別な指示がない限りは、入浴しても大丈夫ってご存知でしたか?

今回は中耳炎の種類ごとに、症状、原因、治し方や、再発予防で気を付けることについてお話します。

中耳炎とは

耳の構造と中耳炎

■参考参照サイト:急性中耳炎|愛知県東海市の耳鼻科|ふくおか耳鼻咽喉科|耳・鼻・のどに関する治療

中耳炎とは、耳の中の「中耳」という部分が細菌やウイルスによって炎症を起こし、膿がたまっている状態です。

中耳は耳の鼓膜より内側で、空洞になっている「中耳腔(ちゅうじくう)」や鼓膜の振動を伝える「耳小骨(じしょうこつ)」、耳の内側と鼻腔や喉とをつなげる「耳管(じかん)」から成っており、中耳炎の原因となる菌は鼻や喉から耳管を通って流れてきます。

原因菌の多くはインフルエンザ菌や肺炎球菌で、特に子どもがかかりやすく、「風邪などの感染症を発症するとほとんどの子どもが中耳炎にかかる」とも言われる程です。

中耳炎の原因

中耳炎の多くは細菌感染が原因と言われています。

特にインフルエンザ菌、肺炎球菌が原因となることが多く、細菌感染の割合は90%以上です。

風邪で耳に菌が入る

中耳炎で耳が痛い子どものイメージ

10歳くらいまでは、耳の構造上、中耳炎によくかかります。

また、大人でも鼻をすすると中耳腔内の圧が下がり、鼻や喉から菌を吸い上げやすくなりますので、鼻をすするのが癖になっている場合は直したほうが良いでしょう。

子ども・赤ちゃんの中耳炎の原因

子どもと大人の耳管

■参考参照サイト:中耳炎の症状・治療について | たかはし耳鼻科 - 耳鼻咽喉科

10歳くらいまでの子どもや赤ちゃんがよく中耳炎になるのは、上のイラストのように子どもの間は中耳腔と、鼻腔や喉をつなぐ耳管が大人に比べて太く短く、さらに水平になっているため。

喉や鼻腔から風邪の菌が耳に流れやすく、鼻から入った菌が中耳に移動して炎症を起こしやすいのです。

このため、子どもや赤ちゃんのうちは、風邪を引くとほとんどが中耳炎にかかると考えるくらいがちょうど良いと言えます。

なお、乳幼児はまだ言葉で上手く表現ができませんが、耳を気にするような仕草をしていれば中耳炎の可能性があるので、病院を受診する際に耳の状態を見てもらうと良いでしょう。

中耳炎の検査

耳鼻科の検査室

中耳炎の検査は、鼓膜近くの耳漏(じろう:耳から出てくる液体)や、喉の奥・鼓膜内などの液体を取って菌を調べる方法や、レントゲン検査でどの程度炎症が広がっているか確認する方法、ティンパノメトリー検査という鼓膜の動きを調べる方法などがあります。

中耳炎はどうやって治るの?

中耳炎で耳が痛い子どものイメージ

中耳炎は、耳から徐々に膿が出ることによって改善に向かいます。

基本的には中耳にある膿をすべて出し切ることが重要です。

慢性的な中耳炎の場合は鼓膜を切開したり、空気の通り道を作るためにチューブで穴を開けたりすることで中耳を乾燥させます。

膿がなくなって炎症が治まれば完治ですが、2~3ヵ月程度は様子を見る必要があるでしょう。

中耳炎の種類と症状・治療

中耳炎で耳の痛み

中耳炎と呼ばれるのは多くの場合「急性中耳炎」のことで、発熱や痛みといった症状が出るため比較的分かりやすく、時間とともに経過は良好になるのであまり心配はありません。

しかし、中耳炎には複数の種類があります。

症状が慢性化したり悪化したりする場合などには、急性中耳炎以外の中耳炎の可能性もありますし、発熱や痛みのない中耳炎も存在するのです。

はっきりとした自覚症状がないと治療を始めるのが遅くなってしまうこともあるので、それぞれの中耳炎の特徴を理解しておいて、疑いがある場合は耳鼻科の病院を受診しましょう。

ここからは、中耳炎を種類別に詳しく解説します。

急性中耳炎

中耳炎で聞こえにくくなる

先程お伝えした通り、中耳炎のほとんどは急性中耳炎だと言われています。

急性中耳炎は鼻や喉から耳管を通って菌が流れ込んでくることで、中耳腔内が炎症を起こし膿がたまっている状態で、痛みや発熱を伴うのが特徴。

多くの場合、風邪などに併発して急激に痛みが出てきます。

急性中耳炎の症状

急性中耳炎は、耳の奥や後ろに痛みや腫れを感じるケースが多いので、比較的発症が分かりやすいと言えるでしょう。

痛み自体は2~3日で引きますが痛みが引いても膿は残っているので、きちんと取り除かなければなりません。

急性中耳炎の治療

急性中耳炎は、状況を観察しながら膿が耳から出ていくようにする「保存療法」を行なうのが一般的です。

鼓膜に穴を開けて膿を吸い出す方法もありますが、優先順位は低い治療方法だと考えられます。

反復性中耳炎

治療薬

反復性中耳炎は、急性中耳炎を繰り返し発症することを指します。

子どもの場合は風邪のたびに中耳炎になることもありますが、目安として急性中耳炎を1年に4~5回以上繰り返す場合は、反復性中耳炎です。

保育園や幼稚園などで集団行動をしている人程なりやすいと考えられます。

反復性中耳炎の症状

反復性中耳炎の症状は急性中耳炎と変わらず、それを頻繁に繰り返します。

年に何度も風邪を引くお子様は注意が必要です。

反復性中耳炎の治療

反復性中耳炎の治療はたいていの場合、急性中耳炎の治療と同様ですが、薬剤耐性菌が原因の場合は通常の急性中耳炎の治療で良くならないことが多いため、抗生物質の投与や手術療法などが選択されます。

滲出(しんしゅつ)性中耳炎

滲出(しんしゅつ)性中耳炎

■参考参照サイト:滲出性中耳炎 | 西宮市 小児耳鼻科 梅岡耳鼻咽喉科グループの中耳炎専門サイト

耳の中に滲出液という液体がたまる滲出性中耳炎は、急性中耳炎に併発することがほとんどですが、痛みや発熱といった症状はありません。

急性中耳炎で膿がたまり、それが徐々に改善して痛みがなくなってきた段階を滲出性中耳炎と呼ぶと覚えても良いでしょう。

滲出性中耳炎の症状

滲出性中耳炎は、中耳に膿が残っている状態です。

この状態は気付かない内に治ることもあるくらい自覚症状が少ないですが、完全に膿が出切るまでには時間がかかります。

完全に膿が消えるまでには2~3ヵ月程度かかることがあるので、継続的に耳鼻科の病院を受診しましょう。

滲出性中耳炎の治療

一般的な治療は保存療法で、鼻水を吸い出したり膿の様子を観察したりして様子を見ます。

鼻が詰まっている場合は治りが遅くなるので、頻繁に吸い出すことも大切です。

また、なかなか膿が抜けない場合は鼓膜を切開して吸い出したり、鼓膜にチューブを置換したりする方法もあります。

真珠腫(しんじゅしゅ)性中耳炎

中耳炎の耳の痛み

真珠腫性中耳炎は、中耳炎の中でも特に治療に手間のかかるタイプ。
通常、鼻をすする癖がある人や、耳管の機能が悪い場合に起こりやすい中耳炎です。

真珠腫性中耳炎は、鼓膜の一部が凹んで袋のようになっており、そこに鼓膜の外側にある耳垢がたまることで起こります。

「真珠腫」とは、このたまった耳垢のこと。

「真珠腫」が形成されることで、次第に中耳や内耳の器官が破壊されていくため、しっかりと経過に注意する必要があります。

■参考参照サイト:真珠腫性中耳炎 | 細田耳鼻科

真珠腫性中耳炎の症状

真珠腫性中耳炎の初期症状は、中耳の機能が低下し音の振動が伝わりにくくなることで起こる「伝音性難聴」です。

しかし、中耳のみならず内耳にまで耳垢がたまっていくと、音を感じるための神経機能が悪くなる「感音性難聴」へと進行します。

これら以外にも、耳から膿が流れ出したり、耳の痛みが現れたりすることも多いでしょう。

真珠腫性中耳炎の治療

初期の真珠腫性中耳炎であれば、鼻をすする癖をなくすことや、悪くなっている耳管の機能を向上させることで保存治療ができる場合もあります。

しかし基本的に、真珠腫ができてしまった場合は手術が必要です。

手術は全身麻酔と局所麻酔どちらのケースもあり、局所麻酔なら日帰り手術で済む場合もあります。

慢性中耳炎 鼓膜穿孔(こまくせんこう)

慢性中耳炎の鼓膜穿孔

■参考参照サイト:渡辺耳鼻咽喉科 » 耳鼻咽喉科の病気

慢性中耳炎は慢性的に炎症が続いて中耳に膿がたまっており、なおかつ鼓膜に穴が開いている状態です。

反復性中耳炎や真珠性中耳炎なども、広くは慢性中耳炎に分類されることがあります。

慢性中耳炎 鼓膜穿孔(こまくせんこう)の症状

慢性中耳炎は、難聴が主な自覚症状です。

また、耳漏やめまい、耳鳴りを引き起こすことも。

慢性中耳炎は発熱や痛みを伴わないため、発症に気付きにくいと言えます。

慢性中耳炎 鼓膜穿孔(こまくせんこう)の治療

慢性中耳炎も保存療法が主流で、局所処置や点耳薬などで炎症を抑えながら治療を行ないます。

ただ、鼓膜に穴が開いている場合は手術を行なうこともあるでしょう。

好酸球性中耳炎

好酸球性中耳炎

■参考参照サイト:東京女子医科大学 耳鼻咽喉科

好酸球性中耳炎は原因が特定されないことも多いですが、急性中耳炎とは原因菌が異なり、白血球のひとつである好酸球菌が原因になると言われています。

好酸球は通常、アレルギー反応の制御などを行なう物質ですが、過剰に分泌されると様々な病気の原因となるため注意が必要です。

また、好酸球性中耳炎は成人気管支喘息に合併することが多いと言われています。

好酸球性中耳炎の症状

好酸球性中耳炎の症状は、一部は原因不明ですが、主に白血球中の好酸球が大量に出ることで中耳に組織障害を引き起こし、感音性難聴や耳鳴り、めまいなどを引き起こすと言われています。

場合によっては鼓膜に穴が開いたり、耳漏の症状が出たりすることもあるので、早い段階での耳鼻科の受診、治療が必要です。

好酸球性中耳炎の治療

好酸球性中耳炎の治療ではまず、ステロイドを使用して好酸球を抑えます。

しかし好酸球性中耳炎は繰り返し発症することも多いため、耳の中を換気するためにチューブ置換法を用いて鼓膜の内側に空気が出入りできるようにしたり、中耳内を洗ったりといった処置をされることもあるでしょう。

高度な細菌感染など特殊なケース以外は、手術で好酸球を根本的に取り除くことはできないため、手術は行ないません。

■参考参照サイト:好酸球性中耳炎 | 細田耳鼻科

中耳炎の対処で気を付けること

中耳炎でもプールに入れる

中耳炎はあくまでも鼓膜の内側の炎症です。

鼓膜は通常閉じられているので、外部からの影響を受けることはありません。

そのため、中耳炎を発症しているときにプールに入ることやシャワーを浴びることで、症状が悪化したり治りが遅くなったりすることはないのです。

しかし、鼓膜に穴が開いている場合やチューブを入れている場合などは、医師の指示に従ったほうが良いでしょう。

中耳炎は子どもや赤ちゃんに起こりやすい病気でもあり、発見が遅れることもよくあります。

小さな子どもや赤ちゃんが風邪を引いたときなどは、耳を気にするような仕草をしていないか観察し、異常がありそうなら耳鼻科の病院を受診してみましょう。

中耳炎は過度に警戒する必要はありませんが、一度診断されたら確実な治療を心がけるのが大切です。

※この記事は、2018年1月時点の情報に基づいて作成されています。

監修医師プロフィール

産業医 山田 琢之たくじ 先生 (エスエル医療グループ栄内科

エスエル医療グループ栄内科 院長 山田 琢之先生

略歴

昭和30年
愛知県生まれ
昭和54年
愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局
昭和60年
名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医
平成5年
医学博士(名古屋大学)
平成6年
愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
平成8年
名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
平成12年
エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長
平成13年
愛知医科大学客員教授
平成20年
日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

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