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【医師監修】お腹の張り、吹き出物、腹部の不快感…。 便秘の悩みは人それぞれですが、「春はストレス」「夏は夏バテ」のような季節特有の便秘の原因があることをご存知ですか? 今回は、季節別の便秘の原因と解消法についてお話します。

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冬は便秘になりやすい?春夏秋冬別便秘の原因と対策まとめ

冬は便秘になりやすい?春夏秋冬別便秘の原因と対策

こんにちは!
HMR大学医学科1回生の小林モエです。

お腹の張りや吹き出物、腹部の不快感・・・「便秘」の症状に悩まされている方はたくさんいると思いますが、実は便秘には、季節特有の原因があるってご存知でしたか?

今回は、季節ごとに起こる便秘のお話です。

季節別の便秘の原因と解消法もお話していますので、現在便秘でお悩みの方はもちろん、「この季節だけなぜか便秘がちになるなぁ・・・」とお悩みの方も必見の内容です!

何日出ないと便秘?

便秘マッサージのイメージ

便が出なくて辛いと感じる日数は、人によって違います。
3日でもうお腹が張って気持ち悪いという人もいれば、1ヵ月出なくても平気な人も・・・。

実は便秘には、「どのような状態が何日続けば便秘である」といった、医学的な定義は存在しません。

ただ、学会などで個別に発表されている定義はありますので、以下をご参考下さい。

・日本内科学会
3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態

・日本消化器病学会
排便が数日に1回に減少し、排便間隔が不規則で便の水分含有量が減少している状態(硬便)を指すが、明確な定義はない。

・国際消化器学会(RomeIV)
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●以下の2項目の特徴を示す
a. 排便困難による力み ≧排便の25%
b. 硬便または兎糞状便 ≧排便の25%
c. 残便感 ≧排便の25%
d. 直腸肛門の閉塞感 ≧排便の25%
e. 排便時の用手努力 ≧排便の25%
f. 排便回数 <3回/週

●下剤を使わない限り軟便はまれ
●過敏性腸症候群の診断基準を満たさない
少なくとも6ヶ月以上前症状が出現し、最近3ヶ月は基準を満たす必要がある
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■引用元:たかが便秘、されど便秘(その4)の内科・消化器内科ニュース|ひまわり通信

学会によって差はあるものの、概ね3日出なければ便秘であると思っても良さそうですね。

ただ、お腹が張る、食欲が落ちたなどの症状がなく、体調に問題のない人は、便秘と考える必要はないようです。

便秘の種類

便秘は大きく「器質性便秘」「機能性便秘」の2種類に分けられますが、器質性便秘は大腸ガンなどの病気が原因で起こる便秘のため、一般的な便秘は機能性便秘のことを指します。

さらに、機能性便秘は以下の3種類に分けられますので、ひとつずつ見ていきましょう。

弛緩性(しかんせい)便秘

弛緩性便秘のイメージ図

弛緩性便秘は、腸の緊張がゆるむことで腸の動き(ぜん動運動)が不十分になり、大腸内に便が長くとどまって硬くなるタイプです。

女性や高齢者に起こりやすいタイプの便秘で、残便感やお腹の張り、食欲の低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状が起こることもあり、日本人に最も多い種類の便秘と言われています。

主な原因は、食物繊維や運動、水分の不足、極端なダイエット、腹筋力の低下などです。

けいれん性便秘

けいれん性便秘のイメージ図

けいれん性便秘は、腸が緊張しすぎることによって便の運搬が上手くいかず、ウサギのフン状のコロコロした便になるタイプです。

残便感や食後の腹痛、便秘と下痢を繰り返すなどの症状が出ることも。

環境の変化や精神的ストレス、過敏性腸症候群などで自律神経のバランスが崩れることが原因だと言われています。

季節としては、「新しい環境に対してストレスを感じる春」に比較的、多いタイプです。

■参考参照サイト:旬なトピックを提供!日比谷診療所だより 3 月号

直腸性便秘(習慣性便秘)

直腸性便秘のイメージ図

■参考参照サイト:便秘の原因|くすりと健康の情報局

直腸性便秘は便が直腸にたどり着いても便意が起こらないため、直腸内に便がとどまってしまい、排便が困難になるタイプです。

排便を我慢しがちの人に多く、高齢者や寝たきりの人、痔の人がなりやすいとも言われています。

ここまで、便秘の種類について確認してきました。

なお、これら3種類の便秘は必ずしも1種類だけの症状が現れるわけではなく、直腸性と弛緩性など、複数の種類の便秘が合わさって起こる場合も多いです。

しかし、便の状態や体調、自分の生活と照らし合わせてみると、「いま自分は○○便秘だ」とおおまかに分かるため、どんな対策をしたら良いかも見えてきます。

上記を踏まえて、ここからは季節性の便秘についてチェックしていきましょう。

春の便秘の原因

春の便秘イメージ

進級・進学、転勤・異動など、なにかと身辺の変化が多い季節である「春」。
ここでは、春に起こる便秘の原因についてチェックしてみましょう。

ストレス

春は生活の変化が起きやすい時期です。

入学、就職、進級、転勤などといった新しい環境下では、人はどうしても緊張してしまいますよね。

そういった緊張や不安がストレスとなって自律神経を乱し、腸の働きを低下させてしまうことが、便秘へとつながるのです。

寒暖差

春は気温の変化が激しい季節です。

そうした寒暖差も自律神経のバランスが乱れる原因となってしまうため、腸の働きが不安定になり便秘を引き起こしやすくなります。

春の便秘を解消するには?

便秘解消のイメージ

少し暖かいと感じる日でも夜には急に冷えたりすることがあるため、上着を持ち歩く、1枚脱いでも問題ないような服装をするなど、気温に応じて調節できるように心がけましょう。

また、新しい環境下でのストレスを解消する手段を持つのも大切。

家でゆっくりと音楽を聴く、湯船につかってリラックスする、なにか自分の好きなことをするなど、少しでも良いのでそういった時間を設けるようにしましょう。

夏の便秘の原因

夏の便秘とは?

外の暑さとエアコンの効いている室内とで温度差が大きい「夏」。
ここでは、そんな夏特有の便秘についてチェックしてみましょう。

発汗による水分不足

人は、夏場は汗をたくさんかくことで体温の調整をしていますが、汗をかくと体内の水分が失われて水分不足になります。

水分が不足すると便が硬くなって出づらくなってしまうため、便秘につながってしまうのです。

エアコンによる体の冷え

エアコンの効いた室内と気温の高い外との温度差によって自律神経のバランスが乱れると、腸の働きも不安定になり便秘になってしまいます。

夏バテによる食欲不振

夏バテの食欲不振

自律神経の乱れによって腸の調子が悪くなると、食欲がなくなり食べる量が減ってしまいます。

そうなると便のかさが足りなくなったり、腸の働きが低下したりするため、便秘になりやすくなるのです。

夏の便秘を解消するには?

夏の便秘解消法

便秘のときはビタミンやミネラルといった栄養補給をして、内臓の調子を整えましょう。
特に旬の物である「夏野菜」がおすすめです。

さらに、乳酸菌や食物繊維、オリーブオイルやオリゴ糖などの腸内環境を整える物を積極的に摂って、腸内環境を整えることも大切です。

また、汗をかいたぶんだけ水分補給が必要ですので、喉の渇きを感じる前に、普段より多めに水分を摂ることを心がけましょう。

入浴前後や就寝前後などにも水分が失われますので、しっかりと水分補給をして下さい。

秋の便秘の原因

秋に便秘になる原因

夏の暑さが終わって過ごしやすくなり、「食欲」「スポーツ」「芸術鑑賞」など楽しみが増える「秋」。
ここでは、秋に便秘になる原因を確認してみましょう。

夏の影響

夏場に冷たい食べ物を摂りすぎて体を冷やしたり、夏バテによる栄養不足が起こったりすると、腸が疲れて動きが鈍くなり、便秘の原因になります。

食べすぎ

秋は食べ物がおいしいため、ついつい食べすぎてしまうことが多くなります。

夏の影響で腸が疲れているときに食べすぎることで、さらに腸に負担をかけてしまい、働きが低下して便秘の原因になってしまいます。

寒暖差

秋も気温の変化が激しい季節です。

まだまだ暑いと思ったら急に冷え込んだりするため、自律神経の乱れが起きやすく、腸の動きが不安定になってしまいます。

秋の便秘を解消するには?

秋の便秘解消法イメージ

まずは食べすぎないように注意しましょう。

そして夏と同様にビタミンやミネラルといった栄養補給をして内臓の調子を整え、乳酸菌や食物繊維、オリーブオイルやオリゴ糖などの腸内環境を整える物を積極的に摂ることが大切です。

また、秋も春と同様に寒暖差に対応できるように上着を持ち歩いたり、1枚脱いでも問題ないような服装をしたりして、気温に応じて調節をできるように心がけましょう。

冬の便秘の原因

冬に便秘になる原因

秋から段々と寒くなり、動くことが億劫になる寒い季節「冬」。
ここでは、冬の便秘の原因について、チェックしてみましょう。

我慢してしまう

冬に暖房の効いている室内にいると、寒いトイレや廊下に出るのが億劫になってしまいがちです。

その結果トイレを我慢してしまい、便に含まれる水分が腸で過剰に吸収された結果として、便が硬くなって便秘の原因になります。

冷え(気温)による自律神経の乱れ

冬の便秘も、秋と同じく自律神経と関係があります。

体が冷えると腸の動きが鈍くなり、体温を逃さないようにと交感神経が優位になって血管を収縮させるのですが、そうすると副交感神経の働きが下がるため、腸の動きが鈍くなってしまうことに・・・。

結果、便秘になってしまうのです。

運動量の低下

運動不足のイメージ

寒くなって家の中にこもりがちになると、運動不足になります。

全身の運動不足は腸の働きの低下にもつながり、便秘の原因になるのです。

水分摂取量の低下

冬は喉の渇きを感じにくいため、1日に摂る水分が少なくなりがちです。

また、空気の乾燥によって体から気化熱として水分が奪われてしまうことで、体内が水分不足になり、結果として便が硬くなって排便が困難になります。

冬の便秘を解消するには?

冬の便秘解消法

まずは便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレへ行ことが大切です。

そして、乾燥による水分不足を防ぐために、なるべく温かい物をこまめに飲みましょう。

運動不足の解消も大切ですが、寒い中外に出て運動するのは辛いので、家の中でできるストレッチや筋トレがおすすめです。

自律神経の乱れについては、睡眠中は副交感神経が優位に働き腸の動きが活発になるため、できるだけ睡眠時間をしっかりと確保することが大切。

また、部屋は暖房で暖かくてもあまり動かないとお腹が冷えていることもあるため、腹巻+ホッカイロをするなどして忘れずにお腹も温めましょう。

便秘と間違いやすい危険な病気

便秘と似た病気

「便秘かな?」と思っていても、実はそこには重篤な病気や別の原因が隠れていることも・・・。

ここでは、特に気を付けたい「便秘と間違いやすい病気や症状」についてお話します。

便秘と間違いやすい:腸閉塞

生活に変化がないのに急に便秘になった、便の形が変形している、血が混じっているといった場合は、単なる便秘ではなく大腸腫瘍等の病気の疑いがありますので、すぐに内科や消化器内科を受診しましょう。

特に便が出なくなって強い腹痛や吐き気が出た場合は「腸閉塞」の心配がありますので、急いで病院を受診して下さい。

薬が原因の便秘

薬が原因

服用している薬が便秘の原因になるケースもありますので、以下の表にある薬を服用中に便秘になってしまった場合は、医師に相談してみましょう。

身近な薬だと、風邪のときに処方される咳止め薬や、花粉症で処方される抗ヒスタミン薬が該当します。

便秘の原因となる主な薬剤 便秘を起こす主な作用
麻薬系の鎮痛薬(モルヒネ)、鎮咳薬(コデインリン酸塩水和物)など 腸のぜん動運動を抑制
抗コリン薬(気管支拡張薬、鎮痛薬など)、抗ヒスタミン薬、向精神病薬、抗うつ薬、抗パーキンソン病薬、抗不整脈薬 消化管の緊張を低下
降圧薬(Ca拮抗薬) 消化管運動を低下
制酸薬、鉄剤、収れん薬(ビスマス製剤)など 収れん作用(皮膚や粘膜のタンパク質と結合して、保護膜を作る作用。

粘膜への刺激が弱まり、腸のぜん動を抑える)

■引用元:便秘の原因|くすりと健康の情報局

季節別の便秘のまとめ

便秘まとめ

腸の働きは自律神経によってコントロールされているため、自律神経が乱れやすい季節の変わり目は特に腸の働きが低下しやすく、便秘になりやすいということがお分かり頂けたでしょうか?

そのため、自律神経のバランスが崩れやすい春や秋は、自律神経に依存するけいれん性便秘の方が増える傾向にあります。
この時期は、自律神経を整えるような生活習慣を送ることが一番効果的と言えるでしょう。

また、夏や冬は水分不足や体の冷えが起きやすいため、腸の働きが悪くなり弛緩性便秘になりやすくなります。
さらに冬はトイレを我慢しがちなので、直腸性便秘にも気を付けたいところです。

季節によって起こる便秘は慢性的に続く頑固な便秘とは少し違い、生活習慣などの改善で解消できることが多いので、この記事を参考に自分の生活習慣や状況を見直して対応をしてみて下さいね。


小林モエ
便秘には、季節的なことも関係してたんだねー。知らなかったなぁ。

リサ
便秘って大変そうだね。実は、パンダは便秘にならないんだよ。

小林モエ
えーっ、そうなの?

リサ
うん、パンダの主食「熊笹」は食物繊維が多くて便秘になりにくいの。
それと、水もたくさん飲むしね。

小林モエ
そっか、じゃあ私も明日からリサちゃんと一緒に熊笹をムシャムシャ食べるね!

リサ
・・・(汗)

■参考参照サイト:

※この記事は、2018年1月時点の情報に基づいて作成されています。

監修医師プロフィール

産業医 山田 琢之たくじ 先生 (エスエル医療グループ栄内科

エスエル医療グループ栄内科 院長 山田 琢之先生

略歴

昭和30年
愛知県生まれ
昭和54年
愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局
昭和60年
名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医
平成5年
医学博士(名古屋大学)
平成6年
愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
平成8年
名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
平成12年
エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長
平成13年
愛知医科大学客員教授
平成20年
日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

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