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【医師監修】下痢や便秘、急な腹痛などを繰り返す「過敏性腸症候群(IBS)」。ストレスが関係すると言われ、学校や仕事に行けなくなることもあります。今回は過敏性腸症候群の症状や対策、病院での治療法などに関するお話です。

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通勤で急行に乗れない人も!?過敏性腸症候群(IBS)の症状と対策まとめ


過敏性腸症候群(IBS)について

こんにちは!
HMR大学医学科1回生の小林モエです。

皆さんは、「過敏性腸症候群(IBS)」という病気を知っていますか?

ストレスと密接な関係があり、現代病のひとつとも言われている過敏性腸症候群。

特に、20~30代といった若い世代の患者が多い傾向にあるようです。

中には「通勤途中にトイレに行きたくなるので、乗車区間の短い各駅停車の電車しか乗れない」「仕事中に何度もトイレに行きたくなるので集中できない」という状態で、仕事に支障をきたしてしまう方も。

今回は、過敏性腸症候群の原因、症状や治療法、対策などについてお話します。

過敏性腸症候群(IBS)とは

過敏性腸症候群(IBS)とは

(情報元)Hiroto Miwa. Patient Prefer Adherence. 2008; 2: 143-147. 

有症率は、インターネット調査(対象:20歳以上の男女10,000人)に基づく推計値。
IBS全体の有症率は13.1%。

■参考参照サイト:IBSとは?下痢、腹痛、便秘の症状とIBSについて|IBSネット

「過敏性腸症候群(IBS)」は下痢や便秘を慢性的に繰り返す疾患で、血液検査や大腸内視鏡検査などで腸に異常が認められないことが確認された上で、それでもなお症状が続く場合に、過敏性腸症候群であると診断されます。

前述した通り、日本人の約7人に1人がかかっていると推測されていて、30代以下の比較的若い世代の患者さんが多いようです。

重症の場合は頻繁にトイレに行きたくなってしまうため、「学校や会社に行けなくなる」「外出を控えるようになる」など、日常生活にも支障をきたしてしまうことが問題となっています。

過敏性腸症候群(IBS)の原因

過敏性腸症候群(IBS)の原因

過敏性腸症候群の原因はいまだに解明されていない部分もありますが、最近では「ストレス」が大きな原因としてかかわっているのではないかと言われています。

「テスト前や大事な発表前にお腹が痛くなる」といった症状が出やすい人は、ストレスに弱いため過敏性腸症候群になりやすいようです。

過敏性腸症候群(IBS)の原因:精神的ストレス

精神的ストレスは過敏性腸症候群(IBS)の原因となる

試験前の不安やなにかの発表をする前の緊張などで、急にお腹が痛くなったりトイレに行きたくなったりすることはどなたでもあると思います。

ただ、その症状が一時的ではなく1年以上も続いていて、頻繁に起こるようであれば、過敏性腸症候群の可能性を疑ったほうが良いかもしれません。

脳と腸には密接な関係があり、脳が強いストレスを感じると腸のぜん動運動に異常が生じ、下痢や便秘を引き起こす場合があるのです。

過敏性腸症候群(IBS)の原因:身体的ストレス

身体的ストレスは過敏性腸症候群(IBS)の原因となる

過労睡眠不足による疲労や、不規則な食生活が続くと、体がストレスを感じて腸のぜん動運動に変化が生じます。

その結果、腸が異常に活発化して下痢を引き起こすことや、逆にぜん動運動が鈍くなって便秘を引き起こすこともあるのです。

過敏性腸症候群(IBS)とセロトニン

過敏性腸症候群(IBS)の原因とセロトニンの関係

最近では、過敏性腸症候群には神経伝達物質()のひとつである「セロトニン」が深く関係しており、このセロトニンの分泌を調整することで、過敏性腸症候群の症状を緩和できることが判明しつつあります。

セロトニンは脳内で作られる「幸せ物質」として有名かもしれませんが、腸で作られるセロトニンはそれとは少し違い、ストレスを受けた腸が、その際に生じた不安を消すために分泌するもの。

ところが、セロトニンが分泌されると腸内が活発に動きすぎてしまい、下痢や過敏性腸症候群を発症する可能性が高まると考えられているのです。

さらに強いストレスが続くと、腸が少し活動しただけでお腹が痛いと感じることも。
これはセロトニンが、脳に体の危険を伝える信号を発するようになるためです。

神経伝達物質…体内の情報を脳へ伝達するために合成された化学物質。

■参考参照サイト:過敏性腸症候群 | 東京日野市 森末クリニック公式ページ|豊田駅 下肢静脈瘤 日帰り手術 橋本病 内科 胃腸科

過敏性腸症候群(IBS)の症状

過敏性腸症候群には、「下痢型」「便秘型」「混合型」「その他」という4つのタイプの症状があります。

過敏性腸症候群(IBS)の「下痢型」

過敏性腸症候群(IBS)の下痢型

男性に多く、泥状便・水様便が多いのが特徴。

過敏性腸症候群の下痢型は単純な下痢と違い、主な原因がストレスであることが多く、「腹痛や腹部の張り」「腹部がなんだか気持ち悪い、不快感がある」「お腹がグルグルと鳴る」などの症状が出ます。

排便することによりその症状が軽減することも、過敏性腸症候群の下痢型の特徴です。

過敏性腸症候群の下痢型により、不眠になったり、不安や抑うつなどの症状が出たりする方もいます。

■参考参照サイト:下痢・腹痛が続く原因は下痢型IBSかもしれません|IBSネット

過敏性腸症候群(IBS)の「便秘型」

過敏性腸症候群(IBS)の便秘型

女性に多く、硬い便・コロコロ便が多いのが特徴。

「便秘型」は便秘症状が多く出るタイプで、「腹痛や腹部の不快感が繰り返し起こる」「症状により排便回数や便の形状などが変わる」「排便するとお腹の症状が軽くなる」といったことなどが目安になります。

しかし世間でよく耳にする慢性タイプの便秘と、過敏性腸症候群による「便秘型」には共通する症状も多いため、区別するのが難しい場合もあるでしょう。

■参考参照サイト:過敏性腸症候群(IBS)について|便秘なんでもネット

過敏性腸症候群(IBS)の「混合型」

過敏性腸症候群の「混合形」は、下痢型便秘型を交互に繰り返します。

過敏性腸症候群(IBS)の「その他」タイプ

過敏性腸症候群の「その他」タイプは、これまで紹介した3つのどれにも当てはまらないタイプです。

過敏性腸症候群(IBS)を診断してもらう病院は?

ここからは、過敏性腸症候群が疑われる場合に、どんな病院で診断をしてもらえば良いかを確認していきましょう。

過敏性腸症候群(IBS)は、内科などの主治医、消化器科、胃腸科、心療内科の病院を受診する

過敏性腸症候群(IBS)は、内科、消化器科、胃腸科、心療内科の病院を受診

腹痛を伴う激しい下痢便秘が続く場合は、過敏性腸症候群以外の腸の疾患が隠れていることもあるため、自己判断せずに、内科などの主治医や消化器科、胃腸科に相談してみましょう。

生活の中でストレスを強く感じているような場合は、内科などと併せて心療内科の受診もしたほうが良いでしょう。

心療内科では「薬物療法」と、ストレスの発散・対処法を探る治療が行なわれます。

過敏性腸症候群(IBS)の治療

過敏性腸症候群は基本的に、ストレスや生活習慣の乱れによって発症することが多いため、これらを解決するための治療が行なわれます。

過敏性腸症候群(IBS)の精神的な要因の治療

過敏性腸症候群(IBS)の精神的な要因の治療

精神的な要因からくる過敏性腸症候群で心療内科を受診した場合、抗不安剤抗うつ剤などの薬を使用した薬物療法が採用されることもあります。

また薬物療法だけではなく、「ストレス・マネジメント」と呼ばれる治療が行なわれることも。

ストレス・マネジメントは、自分の症状がどういう状況や出来事で酷くなるのかを考え、ストレスを避ける方法や、避けられないストレスにどう対処したら自分が楽になれるのかという考え方・発散の方法を探っていく治療法です。

■参考参照サイト:ストレスに対する身体からのSOS 過敏性腸症候群 | カラダの豆事典 | サワイ健康推進課

過敏性腸症候群(IBS)の生活習慣による要因の治療

過敏性腸症候群(IBS)の生活習慣による要因の治療

生活習慣が原因の過敏性腸症候群の場合は、暴飲暴食過度の飲酒を避け、食生活と生活習慣の見直しを行ないます。

過敏性腸症候群(IBS)の、心療内科以外での薬物療法(薬・漢方薬)

過敏性腸症候群(IBS)の薬や漢方薬による薬物療法

心療内科以外で過敏性腸症候群の薬物療法を行なう場合、下痢や便秘には「整腸剤」「下剤」「消化管の運動機能を改善させる薬」「便の水分バランスを調整する薬」「漢方薬」などが用いられます。

過敏性腸症候群(IBS)の市販薬での対処

過敏性腸症候群(IBS)の市販薬での対処

市販薬を使う

過敏性腸症候群で下痢や便秘が続く場合は、市販の下痢止め漢方薬を服用してみましょう。

便秘の解消には、便秘薬や酸化マグネシウム、健胃消化薬などの服用が効果的です。
特に漢方薬は、自然に近い形で便通を整えてくれる物もあります。

乳酸菌などが含まれた、腸内のバランスを整える効果が期待できる整腸薬なども有効です。

■参考参照サイト:過敏性腸症候群 症状・疾患ナビ | タケダ健康サイト

過敏性腸症候群(IBS)の予防で気を付けること

過敏性腸症候群(IBS)の予防で気を付けること

過敏性腸症候群(IBS)の予防:ストレスをためない、軽減する

過敏性腸症候群は、現代病のひとつとも言われています。

現代社会には、人間関係や仕事、不眠、パソコンやゲームなど、精神的・身体的なストレス要因が多く存在していますが、その中でもなるべくストレスを溜めないようにすることが、過敏性腸症候群の一番の予防法となります。

どんなに忙しくても、家でゆったりと読書や映画鑑賞、音楽鑑賞を楽しんだり、ぬるめのお風呂にじっくり入ったりと、「リラックスタイム」を少しでも作り、ストレスを軽くするように心がけてみましょう。

■参考参照サイト:過敏性腸症候群 症状・疾患ナビ | タケダ健康サイト

過敏性腸症候群(IBS)の予防:規則正しい生活を送る

過敏性腸症候群(IBS)の予防法は規則正しい生活

体のリズムを整えるためには、毎朝決まった時間に起床し、3食しっかり食べることが大切です。食事の時間も、決まった時間に設定するとなお良いです。

朝起きるのが辛い場合は、あえてカーテンを開けて寝るなど、朝日を浴びて自然に目覚められるような環境を作ると良いでしょう。

また、短時間でも深く眠れるように自分に合った枕を選んでみるなど、寝具にこだわるのも効果的です。

■参考参照サイト:過敏性腸症候群 症状・疾患ナビ | タケダ健康サイト

過敏性腸症候群(IBS)の予防:腸内環境を整える

過敏性腸症候群(IBS)の予防は腸内環境を整える

現代社会で生活していると、食品添加物や排気ガスなど、様々な影響で「活性酸素」が発生しやすくなります。

活性酸素は腸を攻撃して腸内環境を悪化させるため、抗酸化力のある食品を積極的に摂りましょう。

抗酸化成分である「ポリフェノール」、酸化を防ぐオレイン酸やビタミンEが豊富なエキストラ「バージンオリーブオイル(酸度0.8以下)」などは、現在特に注目されています。

これらは腸内環境を整えるだけでなく、活性酸素による酸化や過酸化脂質の発生も防いでくれるのです。

腸をいたわる食生活を心がける

過敏性腸症候群で「下痢を起こすタイプの人」は、冷たい食事や飲み物は控えましょう。

また、牛乳などの乳製品高脂肪の食品もなるべく避け、腸にあまり刺激を与えないように注意して下さい。

「便秘を起こすタイプの人」は、食物繊維が豊富な食品を食べて自然なお通じを促しましょう。

キャベツゴボウバナナ納豆などは食物繊維が豊富です。

■参考参照サイト:過敏性腸症候群 症状・疾患ナビ | タケダ健康サイト

いかがでしたでしょうか?

「もしかして、自分も過敏性腸症候群かもしれない…」と気付いた方もいらっしゃるかもしれません。

過敏性腸症候群の症状はきちんと治療すれば楽になっていきますので、我慢せずに早めの対処を心がけましょう。


小林モエ
うーん、下痢タイプの過敏性腸症候群だと特に辛そうだね。各駅停車の電車しか乗れなくなっちゃうなんて…

リサ
各駅停車だけじゃなく、特急にも乗れるそうだよ!電車の中にトイレがあるから。

小林モエ
そっか。いつでも近くにトイレがないと安心できないってことだよね。じゃあ、いいこと考えた!

リサ
なになに?

小林モエ
過敏性腸症候群の人は、各駅停車や特急以外の電車に乗るとき、ポータブルトイレを持ち歩けば良いんだよ!!

リサ
・・・。ポータブルトイレを持っていても、それ、どこで使うの?

小林モエ
あっ・・・(>_<)

■参考参照サイトおよび書籍:

※この記事は、2017年12月時点の情報に基づいて作成されています。

監修医師プロフィール

産業医 山田 琢之たくじ 先生 (エスエル医療グループ栄内科

エスエル医療グループ栄内科 院長 山田 琢之先生

略歴

昭和30年
愛知県生まれ
昭和54年
愛知医科大学卒業
名古屋大学医学部予防医学教室入局
昭和60年
名古屋市職員健康管理センター所長
名古屋市産業医
平成5年
医学博士(名古屋大学)
平成6年
愛知医科大学助教授(産業保健科学センター)
平成8年
名古屋大学医学部講師(非常勤:予防医学)
平成12年
エスエル医療グループ「栄内科」院長
なごや労働衛生コンサルタント事務所長
平成13年
愛知医科大学客員教授
平成20年
日本労働安全衛生コンサルタント会愛知支部長

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